阪急電鉄中吊り広告:表面的なことと内面的なこと

2019年06月18日 16:00

関西を走る阪急電鉄の中吊り広告についてネット上で炎上しています。
今回話題になったのは、「はたらく言葉たち」という経営者の言葉を集めた中吊りで、
8両編成の全車両に掲示するというコンセプト電車を6月1日から6月30日まで運行する予定でしたが、6月10日に運転を取りやめました。

想像するに、阪急電車で通う会社員にエールを送ろうと思って始めた企画でしたが、逆効果なってしまいました。実際、阪急電鉄広報部は「多くは通勤電車で、ビジネスマンの方が重要なお客様。実際は働いている方々に働くことの意味や尊さなど、応援メッセージで伝えたいという趣旨で出させて頂いた」と説明していました。

例えば「毎月50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか。研究機関 研究者/80代」。これの言わんとしてることはわかりますが、「例に出す金額が違うだろう!」ってことですね。この言葉、80歳代の研究機関の研究者が書いていますが、若いときは確かに給料安いよという話ではなく、昨今は年収300万円もいかない。一生懸命やっていても、中高年になってもワーキングプアという問題がある中において、批判にさらされてしまいました。

他には、「お金持ちになって、銀座の高級ブランド店で、「ここからここまで全部くれ」って本当にやってみた。その時、やっぱりわかったんだ。お金が安定はくれるけど、幸せはくれないって。 情報処理経営者/40代」と、情報処理分野の40代、いわゆるIT系企業の経営者の書いた言葉ですが、確かに不快というか、どこかその人の人間性を見たって感じに私は感じました。

つづいてこちら。「格差社会だ。でも、ある意味実力社会だ。 コピーライター/30代」。30代のコピーライターが書いた言葉ですが、「実力社会」とは違う「格差社会」というのは確かに存在するように思いますが・・・・・。

まだまだ他にもありますが、今回の騒動を私は何か「言葉狩り」というような気がしないでもないです。そう言われて「自分はどう考えるか」ということも大事だと思います。言わんとしていることに焦点を当てて考えてみるとか、あるいはムカってくる違う価値感の人はどんな生き方をするかを考えるきっかけにしてみるのもありだとは思うんですね。

ただ、今回は「不快だ」という批判的な意見が相次ぎ阪急電鉄に寄せられたことで、中止したようですが、お客様商売の民間企業判断だから、仕方ないことだと思います。

そう言えば、私は思い出したんですけれども2006年に私の言葉を集めた、「中田主義」という本を出版しました。

中田主義と別に偉ぶってかいているつもりもありませんし、上から目線でもない、ただ単に私の主義を書き記しました。

例えばこんな言葉。
「やる気は、今出そう。勇気は今使おう。貯めたところで増えないから。」

改めて私そう思いましたし、貯めても増えやしないですからね。

それから、こんな言葉。「どっちのほうがいいか・・・・・。もっと慎重に考えて・・・・・。失敗しないように・・・・・・。あんまり深く考えると、物事は実行できない。「単純さ」が実行力を生む。」

実行力があるとかないとか、他人に対して言います。シンプルだけどこれに尽きますね。

それから、「なんとなくだけど、自分を賢いと思っている人が馬鹿もので、自分を馬鹿だと思っている人は賢くなれる人だと思う。」。

これを書いたのが40才になったばっかりで、現在は50才半ばです。しかし、世の中を知れば知るほど、本当にそう思います。

私は自分の言葉だから納得してるけれども、受け手によってはムカついてる。
そうすると、この本も炎上するの?


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年6月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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