やっちまった感が拭えないヤフーのPayPay戦略

2019年06月20日 11:30

「PayPay銀行」「PayPay証券」誕生へ ヤフーとソフトバンク、自社名使わないワケ (アエラドット)

あーあ、やっちゃったなというのが正直な感想だ。
PayPayみたいにお金の世界で最初にやらかしたサービスなんて信用できるわけないだろ。

PayPayのキャンペーン記者会見に臨む川邊社長(手前左)ら(PayPay公式Facebookより:編集部)

Yahoo!が金融やりたいのは理解できる。
だけどずっとYahoo!が金融やらなかったのは記事にもある通り孫社長と北尾社長の同志的結合の義理・人情が強くSBIと資本関係がなくなったとはいえ、そもそもソフトバンクの飛躍のきっかけを作ったのはYahoo!に投資する前の90年代に北尾社長が野村証券から来てくれて、孫社長に金融の力を授けて、5000億円市場から調達したところまで遡る。

その資金でジフデービスを買収し、Yahoo!を発見して、Yahoo!やアリババに投資できて、そのキャピタルゲインが兆円単位で、その資金でソフトバンクはYahoo!BBという通信インフラ事業に参入できて、それがソフトバンクモバイルにつながり、AppleやGoogleと対等に付き合える基盤に繋がった。

ソフトバンクが通信事業にコミットしている間にジャック・マー率いるアリババが親であるソフトバンクを超える時価総額になり、中国特有の個人情報は国家のものよ、というあり得ないプライバシー侵害の上に成り立っているのがAlipayとそれをベースにした信用スコアビジネス。

それをAIのためのビッグデータとして、日本でAlipayの後追いをしようとしているのが、川邊Yahoo! Japanのデータ・ドリブン戦略。おそらく川邊さんは孫社長から強烈にYahoo! Japanのアリババ化を進めるようプレッシャーかけられており、今日のPayPay戦略に繋がっていると思う。

確信はない、客観的かつ個人的なもの見解だけど、的外れではないだろう。

最大の問題は日本は欧米と同じくこれから強烈にプライバシー侵害は認めないし、個人情報保護が厳しくなり、Alipayや中国政府のようなビッグデータ活用はできない。

だからこのPayPay金融ビジネス戦略が個人情報を元にAlipayモデルの後追いなら確実に失敗するだろう。
あまりにプライバシー侵害を甘く見ている。ユーザのデータはいかようにでも使えると思っている節がある。

Yahoo!Japanはいい悪いは置いておいて亡くなった井上前社長が慎重に慎重を重ねて、まるでNHKのような公共メディアとしての信頼を築いてきたのに、このビジネス方針は非常に危ういと思う。

宮坂前CEOは井上さんの慎重すぎる経営とスマホ対応の遅れを爆速というコンセプトでYahoo!Japanをスマホ対応させてYahoo!の影響力を維持したのに、Yahoo!のPayPay戦略はその全てを無にする可能性すらある。

宮坂さんが全役職から手を引くのももしかしたらこういう戦略方針が影響しているのではないかと訝してしまう。

Yahoo!をアリババ化する必要なんてないのに、PayPayで後追いするとか、だれか本当に議論し尽くしたのだろうか。

ソフトバンクYahoo!を金融帝国にしたいならSBI北尾社長と元鞘に収まるべきだろう。もちろんそれはいろいろ難しいことはわかる。ソフトバンク財務部や金融事業部隊にとって北尾社長の影響力は強すぎる。

それでもやはり孫社長に堂々と意見を言うことができて、志が繋がってて真の同志である孫社長と北尾社長が再びタッグを組めば、日本の金融は真の意味で新しいステージに進めると思う。

北尾社長、SBIからすれば、PayPay銀行、PayPay証券、恐るに足らず、なんて無駄なことしているんだろうと思うに違いない。

とても不思議なことはなぜこれほどの2人のカリスマ経営者が、志を共にしているのに一緒に事業を推進できないのだろう?

強すぎるカリスマは2人も必要ないのだろうか。この2人が金融の世界で再びタッグを組めばどんなことでも可能だと思う、残念だ…

個人的な感想が杞憂に終わることを祈る。

(※追記:21日14時  本稿は個人的な意見です)

渡部 薫

渡部 薫
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