岡崎聡子さん14回目の逮捕! 刑務所は効かない

2019年06月20日 19:00

岡崎聡子さんが覚せい剤使用の疑いで逮捕されていたことが報道されましたが、先日仲間と「岡崎さんて今どうしてるんだろうね?止まったのかな?」と話していたので、びっくりするとともに「あぁ、やっぱりな・・・」と残念な気持ちです。

よく女性の依存症者の方が回復しにくい・・・と言われますが、岡崎さんはその典型的な例だと思います。

女性の依存症者はつきあう男性によって回復への道が閉ざされてしまうことが良くあります。
女性の場合そんなに稼げなくても、男性がいればなんとかなってしまったり、逆に風俗などでやろうと思えば、比較的簡単に結構な金額が稼げてしまったり、子供がいたりすると、周囲の人が「子供のために」と金銭面を含めて援助してしまったり、といった理由があり、なかなか底つきが訪れず、重症化してしまうんですよね。

岡崎聡子さんと言えば、今の若い方々はご存じないかと思いますが、私が子供の頃は、アイドルと化したアスリートでした。
明るくて、容姿も可愛くて、バラエティ番組によく出ていらしたのを覚えています。
当時のエアロビブームの火付け役でもありましたよね。

しかしそれにしても証拠不十分で釈放されている6回を含め今回で14回も逮捕され、5回も実刑になっているというのに、まだ回復できないということは、この国の薬物政策、特に再犯防止策は完全に失敗していると思います。

これだけ再犯を繰り返していると、肉親や古い友人といった薬物とは関係のない人間関係は切れていたか、もしくはその人達が適切な支援に繋がれず、間違った手助けを繰り返していたのかと思いますが、少なくとも、逮捕、拘留といった機会が何度もあったのですから、司法と弁護士が回復につながるよう、尽力すべきだったと思います。

それでなければ、周囲から見捨てられ孤独になり、薬物関係の知り合いしか居なくなっている依存症者など、この世に沢山いるわけですから、そういう人達を助けられるシステムが日本にはないということになります。
なんでも家族頼みでは、社会システムとして機能不全に陥ることは、児童虐待や家庭内殺人事件でも十分わかっていることですよね。

そもそも刑務所に入れたのでは、薬物依存症は回復しません。
むしろ「否認」を強め悪影響しかありません。
仲間の話でもよく「刑務所出たとたんまたやった。」という話を聞きます。
なぜなら治療が受けられず、ただ単に物理的に薬物から離されているだけなので、自由に手に入れられる環境になったら速攻やるって、当たり前と言えば当たり前なんですよね。

例えば、私は太ると分かっていながら毎日甘い菓子パンを食べることがやめられませんが、もし刑務所に入ってそれが食べられなくなったとしたら、「あ~、出たら絶対菓子パン食べたい!」と毎日考えていると思うんですよね。

しかも刑務所の中というのは、薬物の再犯者率7割とも8割とも言われているんですよ。
そんな環境に閉じ込めておいたら、みんなで使ってた時の話に花が咲くに決まってますよね。
私なら、外に出て使う日をワクワクしながら待っていると思います。

その上、刑務所という閉鎖的な環境では止められている訳ですから「病気じゃない」という否認を強めますし、刑務所というやっかいな規律に縛られた環境から解放されたばかりでは、再び規則正しい生活を強いられる回復施設に「このまま行こう!」という気持ちも薄れてしまいます。

しかもその効果のない制度を、延々と税金を使って繰り返しているって、あまりに無駄!勿体なさすぎると思いませんか?
刑務所に収監すると、一人年間300万円以上の税金が使われるんですよ。

だったら刑務所に入れないで、回復施設に繋いだ方がよほど安上がりで回復率もあがります。
例え、生活保護をとったとしても、刑務所の経費の半分以下です。

私は思いますが、岡崎聡子さんは刑務所に収監しても止められない重要の依存症者だということは、もう重々結果で証明されたわけですから、道徳論、精神論よりも、エビデンスを大事にして適切な治療が受けられるよう、今回は、保護観察付の執行猶予判決を出して 、回復施設に繋がることが一番良いと思います。

この保護観察付というのが重要で、ただの執行猶予ではまた「自力で止める」となってしまいますので、保護観察下で回復施設に入寮して貰い、回復を見届ける必要があると思います。
そして薬物事犯に詳しく、回復施設と連携が取れている腕っこきの保護司さんをつける。
その辺の勲章狙いのやる気のないおじさんじゃダメです。
(正直、保護司さんにはこんな人も沢山います。そもそもボランティアでこんな重要な役割をやらせていることに問題があると思います。)

さらに裁判までの間に、薬物問題に詳しい弁護士さんをつけ、(逮捕は4月だったようなので、すでについているとは思いますが)回復施設と連携し、判決後即入寮できるようにして、情状証人及び、身柄引き受け人は回復施設のスタッフにすると段取りをつけておくべきだと思います。

今回の逮捕でも、またしても効果のない、税金を無駄使いする刑務所収監という方法をとるのか?
それとも世界の潮流に習い、効果の上がる「治療」という観点に重点を置くのか?
もちろん難しい判断とは重々分かっておりますが、
「画期的な判決を出す、裁判官の勇者出現!」という1%の奇跡を心から願っております。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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