ついに始動!3〜5歳も預かれる「特区型小規模保育」!

駒崎 弘樹

小規模保育は現在4,276ヶ所。(2018年度 厚労省より)

僕たちが2010年に初めて作った時から比べたら、隔世の感があります。

待機児童が一番多い、0〜2歳の受け皿として大活躍の小規模保育ですが、色々と課題も。

それは3才以降の受け入れ先の問題です。制度を作った当初、厚労省は「大丈夫、3歳以降は空きがいっぱいあるから、認可保育園や、幼稚園の預かり保育が受け皿になりますよー」と言っていました。

でも、蓋を開けてみたら、3歳児で入れない認可園も都心部には結構あるし、幼稚園は相変わらず預かり時間そのものが短かったり。

さらに親御さんから、「このまま小規模で手厚い環境のまま、小学校まで子どもを過ごさせたい!!」というご希望もたくさん頂きました。

地方において、預かり保育をしている長時間対応の幼稚園が、4歳から入園のところもあり、小規模保育が2歳までだと接続ができない、という悲鳴も聞かれました。

特区に改革案を提出

そこで、「0〜2歳に限定されていた小規模保育の対象を、5歳まで広げてください」というお願いを、2016年、国家戦略特区で行いました。

厚労省と「少人数だと集団として社会性が育まれないからダメ」「じゃあ諸外国では少人数のクラスなんですが、社会性が育まれてないんですね?」みたいなバトルを何ヶ月か繰り広げました。

そして何とか特区において「5歳まで預かれる小規模保育」制度が2017年9月に実現したのでした。

(参考:びっくり!小規模保育の全年齢化、実現へ

これで、「0〜5歳まで少人数で手厚い小規模保育園」とか、「3〜5歳で少人数でユニークな教育ができる小規模保育園」とかが可能になるぞ、と。

手を挙げてくれる自治体が現れない

が、しかし。

この全年齢型小規模保育をやろう、という自治体が現れない。

小規模保育は自治体によって認可される園の一種で、それを公募するかどうかは市区町村の判断なんですね。

で、この新しい仕組みを取り入れようという自治体が、現れなかったんです。1年半近く。

なんてこった!せっかく民間で制度を変革したのに、自治体がついてきてくれないなんて・・・(T_T)

ということで、挫折感をいっぱい味わっていたのです。

イノベーター堺市登場

そんな折に、堺市の保育課担当者の方からアポの連絡が入りました。

「堺市ってなんだろ。別に前方後円墳と俺達関係ないしな(注:堺市は世界遺産認定された仁徳天皇陵で有名)」

と思いつつもお会いしたら、なんとこの堺市が、初めて3〜5歳の特区型小規模保育の公募を始めてくれようとしていたのでした。

(堺市HPより)

ぬおーーー、やるやんけ!古い古墳があるだけでなしに、あんたらは新しい挑戦をするほんまもんのイノベーターや!!!

と思わずエセ関西弁で狂喜乱舞したのでした。

5月末に公募を始め、6月下旬には事業者決定とのこと。来年の4月には、全国初の特区型小規模保育の開園が、堺市において誕生するのです。

全国の自治体よ、堺市に続け

もう前例はできました。後は堺市に続くだけです。全国の自治体さん。

特区型小規模保育の何が良いって、

・普通の認可園を作るよりも、土地や建物が見つけやすい

・待機児童対策で保育園整備が進めば進むほど、待機児童は「点在化」していきます。そこにドカンと大規模園建てても、空きがでちゃう。これからの時代は、「細かく」待機児童を解消していかないとダメ

・子どもにとっても少人数で落ち着いた環境で過ごせるのは、発達にとってとても良い。特に障害や特性がある子どもたちには、手厚くその子どもに合った対応ができる

・外国人家庭や、親御さんが色んな課題を抱えている家庭にも、少人数であれば寄り添いやすい

・既存の小規模保育の事業者が、3〜5歳の小規模も近隣でやれると、保育の継続性の観点からも良い。「3歳の壁」を無くすことができる

などなど。メリットがいっぱいです。

そんなわけで、全国の首長さん、保育課さん、あんじょう頼みまっせ!

少人数で親子に目一杯寄り添える特区型小規模保育、増やしていきまっしょい!!


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2019年6月20日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください