無差別殺人事件を防ぐのに防犯カメラで事足りるのか? --- 大橋 智洋

大阪の枚方市議会議員を2期務め、今年の枚方市長選挙への立候補を表明している、大橋智洋です。

最近、無差別殺人や動機不明殺人とも言うべき事件が多発しています。

Green Planet/写真AC(編集部)

私は20代のころ、法務省所属の保護観察官として勤務していました。少年非行問題や仮釈放審査に関わる仕事です。

犯罪予防活動はもちろんのこと、罪を犯した人が再犯、再非行をしないように関わり更生を促し、ひいては地域社会の安全を守る、そういう仕事です。

もちろん、殺人など重大犯罪で収監されている受刑者とも何度も話をすることがありました。

犯罪は、加害者が100%悪いものであり、被害者がどのような状況であれ、加害者の責任が減じられるものでありません。

一方で、重大犯罪に至る過程や理由を詳細に見ていくと、今いる場所、すなわち、家庭や地域や職場等あらゆる存在地点において、孤独や疎外感がある場合もかなりあります。

当時は保護観察官として、犯罪や非行を防ぐ、再犯や再非行ももちろん防いでいく。万が一、犯罪や非行に至ってしまうとしても、これを1日でも遅らせるというのが、保護観察官の仕事だと理解していました。

孤独や疎外感を感じている人に対して、周りにいる大人が気がつき、気にかけ、会話をし、居場所を創る。

会話といっても継続的な関わりが必要ですので、決して簡単なことではありませんが、そのことが犯罪の発生を防ぎ、 あるいは犯罪の発生を遅らせるというようなこともありました。

これは自戒を込めてですが、今、地域感情的にも、行政政策的にも、防犯カメラさえ増設すれば、安心!みたいな感覚があるかもしれません。

僕も防犯カメラの増設を掲げていますが、そのことがかえって、孤独や疎外感を感じている人をキャッチする力を弱める、すなわち、地域の力を弱めてしまうことになってはいけないと考えています。

地域の力を高め、未然に防げる政策を導入しなければなりません。一方で、犯罪被害者に対する取り組みも必要です。

どうあれ加害者が100%悪いわけですから、被害者の人権が軽んじられることはあってはなりません。

こうしたこと踏まえて、政策を創っていきたいと考えています。

大橋 智洋 前枚方市議会議員
大阪市立大学法学部卒業後、法務省で保護観察官として少年非行問題や仮釈放審査に関わる。その後枚方市議会議員2期8年務め現在40歳。無所属。