回復したから幸せになれた!私たち夫婦のこと

2019年07月01日 06:00

最近、夫のことがすごく好きになっているんですね。
1998年3月14日に結婚したので、今年でなんと21年目になるのですが、今もこれだけ円満な夫婦でいられるとは、15年前のギャンブルの借金でにっちもさっちもいかなくなった嵐のさなかには想像もできないことでした。

私たちは、ギャンブル依存症夫婦なので、付き合っていたころから、借金の繰り返しでした。
子供が2人も生まれ、住宅ローンを抱え、私が仕事をやめた状況で借金が発覚した際には、「これで私たち夫婦は終わり。もう死ぬしかない。」と本気で思ったものでした。

今も貯金など一切なく、ローン返済に追われていますけど、少なくともギャンブルの借金のような、むなしい返済に追われているわけでも、生活が成り立たなくなるほど度を越した借金でもありません。お互い、先のことはくよくよ考えたりせず、干渉しあわず、良い距離感を保ちながら、コミュニケーションをとり、お互いを支えあい、人生を楽しむことができています。

これもひとえに依存症の仲間たちが集まる自助グループにつながり、何よりもそこで推奨されている12ステップという全世界で行われているプログラムに、夫婦でほぼ同時期に取り組むことができたからだと思います。

このプログラムは、世界規模で何百万人もの回復者を出しただけあって「効きます」。
それは間違いないです。しかもこのプログラムの素晴らしさは、依存症が止まることが目的ではなく、生き方を変えることにゴールが定められ、生涯自分で自分を愛し信頼できるよう設計されているのです。

私たち夫婦は、依存症の真っ最中はお互いサラリーマンとして生きてきましたが、回復してからは、夫は起業し経営者となり、私は社会活動家になりました。夫の最も尊敬する部分は、起業した後も社会貢献の精神を忘れず、また家庭人でもあるところです。

実は、昨日若手起業家・創業者が集まる「EO」という世界的組織があるのですが、そのEOの夫が所属する北海道・東北グループの家族パーティに参加してきたのです。

このEO起業家の自助グループのようなもので、依存症のグループのように言いっぱなし聞きっぱなしのミーティングなんかがあって、実に面白いんですね。

しかも何故、東京人の夫が北海道・東北グループに参加しているかといえば、このグループはそもそものきっかけが「震災」にあり、地域復興のために貢献しようという、コンセプトのもと立ち上がったとのことで、もともと知り合いがいたこともあり、感銘を受けて入会したとのことなんです。だから会合があるたびに、いちいち仙台まで出かけているのですが、そういうところも夫らしいなぁと思います。

また最近車を買い替えたのですが、夫はそれで相当うきうきしており、納車の日を決めるのにも「いつにする?二人で一緒にいたいよね!」と聞いてきたり、(私は、「忙しくてスケジュールあわないからパパ受け取っといて。」と木っ端みじんにしましたが…)

納車後、帰宅すると、しょっちゅう車をぶつけている私が、駐車場でまたぶつけないように、バックモニターに合わせて、駐車場に目印をつけてくれたり、緩衝材を取り付けたり、車止めを設置してくれてありました。

そして私が帰宅すると「乗ってみる?ドライブしない?」「車庫入れやってみる?」などと世話を焼いてくれました。

また、ここの所やけに私のスケジュールを知りたがり、「どうしたんだ?」と不審に思っていたら、ただ単に車に乗って送っていきたいためだったと判明しました。

娘によると、娘にもうるさくスケジュールを聞くので、なんだろ?と思っていたら、車に乗りたいがために、バイト先にせっせと送っていっているとのことでした。家庭人としても夫は最高です。

でも私たちはお互いもっともっと成長したいし、社会に貢献したいと思っています。
夫婦でもっとお金も稼げるようになって、そのお金を依存症の偏見払拭のためにどんどん使いたいです。

そして何よりも、あのどうしようもない結婚式すら博打のためにすっぽかしたような夫婦が、今やこんなに依存症問題に貢献してるよ!回復っていいよね~!って、仲間だけじゃなく一般社会の人たちに思ってもらえるようになりたいです。

そのためにも、ますます夫婦の絆を深め、愛し合っていきたいと思っています。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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