日本の労働生産性が低いのは、労働時間が長いから

2019年07月07日 11:30

日本の労働生産性が低いと言われて久しい。

2018年、日本の労働生産性(就業1時間当たり付加価値)が 47.5 ドル(4,733 円/購買力平価(PPP)換算)に対し、アメリカは72.0 ドル(7,169 円)。アメリカの約2/3程度の水準だ。

比較可能な統計がある1970年以降、48年連続でG7の最下位だ。

では、なぜ日本の労働生産性は低いのか。個々の日本の労働者は真面目で優秀と言われることが多いのに・・・

設備投資が進んでいない

イノベーションが少ない

〇諸外国と比べて中小企業が相当多く効率化や合理化が進んでいない

使命や役割を終えた事業にお金や人材を張り付けている。

などさまざまな原因が考えられるが、最も重要なことは日本の労働時間が長すぎることではないか。

写真AC:編集部

過日、ドイツ・オーストリアを訪問した。

ドイツでは1日8時間労働が原則。どんなに忙しい時期・業界であっても1日最大10時間までが徹底されている。10時間を超える労働はどんな場合でも許されない。そうした場合は勧告され、それでも見直さない場合は、経営者は最大1年以下の禁固刑になるという。

仕事には、
①必ずやらなければいけないこと
②どちらかと言えば、やったほうがいいこと
③やっても、やらなくてもどちらでもいいこと
があるが、

(もちろん、④やらない方がいいこともあるが、これは労働時間の問題ではなく、価値判断の問題なのでここでは議論しないこととする。)

時間をかければかけるほど③やってもやらなくてもどちらでもいいことの比重が増えてきて労働時間に対する生産性は逓減していく

とりわけ”優秀な”人が集まる霞ヶ関の仕事では、最初は中身のある議論をしているが、だんだんと趣味的な表現にこだわることが少なくない。

長時間労働が当たり前になると、当然、育児や介護との両立は難しくなるし、制度として育児休暇や短時間勤務などをいくら設けても、周りの空気を読んで活用しづらくなる。また、異分野との有機的なつながりも少なくなり、イノベーションも生まれにくくなる。

日本もドイツと同じように、1日最大10時間までとし、それ以上は罰則をもって禁止すべきではないか。

最初は戸惑うかもしれない。しかし、制約はイノベーションの母である。1日最大10時間とするために、仕事の優先順付け、個々の仕事のフローの確認、ツールやテクノロジーの活用が進むのではないか。

もう少し知りたい!
→ ”働きすぎ”が当たり前の社会を変えるために、隗よりはじめよ!国会の事前通告ルールを厳格化しよう(2014.2.23)

<井上貴至 プロフィール>


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2019年7月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。

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井上 貴至
前鹿児島県長島町副町長

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