バロンズ:米株、トランプ氏の再選を見越して上昇か

2019年07月08日 06:00

バロンズ誌、今週のカバーはファンド業界の苦難にフォーカスを当てる。テキサス州に拠点を置く運用会社が提供するYCG Enhancedという名の大型株ファンドは。年初来で29%上昇しマーケットのベンチマークを9%上回る。しかし、資金調達は簡単ではない。

モルガン・スタンレーやメリルリンチなどの”ワイヤハウス”と呼ばれる大手証券会社に取り扱われづらいためで、レベニュー・シェア(ファンド会社から証券会社へ一定の配分で収入を分配する仕組み)と呼ばれる、”ペイ・トゥー・プレイ”が障害となっている。つまり、大手運用会社に有利であり、運用会社は数百を超えるというのに、大手運用会社10社が市場シェアの3分の2を占める状況だ。詳細は、本誌をご覧下さい。

当サイトが定点観測するアップ・アンド・ダウン・ウォール・ストリート、今週は民主党大統領候補の政策と米株相場が示唆するトランプ大統領の再選の可能性を取り上げる。抄訳は、以下の通りで、執筆者はいつものランダル・フォーサイス氏に代わってアンドリュー・バリー氏となる。

Ken Lund/flickr

米株相場、トランプ大統領の再選の可能性を点灯か―The Stock Market May Be Pointing to Trump’s Reelection.

好き嫌いは別として、トランプ大統領は米株相場にとってポジティブ要因を与えてきた。S&P500は2016年11月の米大統領選から50%近くも上昇し、足元の動向は同氏の再選を示唆しているように見える。

AGFインベストメンツのグレッグ・バリエール政治ストラテジストは、民主党が増税、規制強化、不法移民への補助金支給などといった政策で自分達の首を絞めていると分析する一人だ。民主党大統領候補者が「この世の終わり」かのように現状を批判するものの、失業率は3.7%と1959年末以降で最低近くにある。従って、バリエール氏にしてみれば彼らの主張は誇張のように聞こえるというわけだ。そのバリエール氏は、「米株相場はトランプ氏の再選を織り込み始めた」と語る

オマハの賢人、ウォーレン・バフェット氏は投資判断に政治を加味しないと豪語するが。2020年の米大統領選でそうはいかないだろう。ストラテガス・リサーチ・パートナーズのダン・クリフトン氏によれば、民主党大統領候補の一人、エリザベス・ウォーレン上院議員は最も企業に厳格な立場にあり「資本主義から真っ向から立ち向かう」人物だ。それがたとえ言い過ぎだとしても、国民皆保険”メディケア・フォー・オール”や大手IT企業の解体の旗振り役であることは事実である。JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は前週、「規制や官僚制度、愚かさ」が米国が誤った方向へ向かわせるものだと指摘した。ウォーレン氏は、これに「いいえジェイミ―、企業の強欲とワシントンの腐敗が問題よ」と反論したものだ。いずれにしても、民主党候補の政策が企業活動の妨げとなるリスクが高いと想定され、米株が民主党候補者討論会が開催された6月27日以降、米6月雇用統計がリリースされるまで4連騰したのは単なる偶然ではないだろう。

S&P500は、7月1日週に1.6%上昇し3,000の大台間近で取引を終えた。株価収益率(PER)は18倍と、決して割安というわけではない。クリフトン氏は、世論調査やギャンブル市場で民主党が有利と判断していると指摘する。しかし、経済や政治のほか、金利は低下トレンドにある。こうした環境下での株高は、市場がトランプ大統領の再選を嗅ぎ取っていると解釈できるのではないか。

米国債をはじめ債券の利回りの低下は著しく、米10年債利回りは2%付近で、高格付けの社債も利回りが3%を割り込む状況だ。世界的にもそうした傾向が現れ、独債を含め13兆ドルもの国債利回りはマイナスに振れた。

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作成:My Big Apple NY

逆に言えば、配当銘柄を中心に株式の投資妙味が高まったことになる。S&P500構成企業のうち、配当利回りが5%を上回るのは化学大手ダウ(5.7%)、服飾大手ギャップ(5.3%)、食品関連大手クラフト・ハインツ(5.2%)、石油メジャーのエクソン・モービル(4.7%)、ソフトウェア大手IBM(4.6%)などが並ぶ。決算などで嘲笑される銘柄が一部含まれるが、インカムに強い銘柄と判断されれば、その人気を回復する余地を残す。

――今回のアップ・アンド・ダウン・ウォール・ストリート、要は民主党大統領候補の政策がビジネス寄りではないため、トランプ大統領の再選を見越して米株が上昇で反応していると言いたいようです….が、根拠に乏しいですね。確かに、CNNがテキサス州など複数の州で実施された世論調査を基に報じたところ、トランプ大統領とバイデン前副大統領が戦った場合、トランプ氏が敗北する可能性が高いといいます。

ミシガン州やペンシルバニア州など、トランプ氏を勝利に導いた接戦州でも、トランプ氏の支持率が低下していると報じていました。しかし、2020年の米大統領選はまだ始まったばかり。米株高もFedの利下げ示唆の影響が大きく、どこかがどちらの勝利を示すと考えるのは、時期尚早でしょう。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2019年7月7日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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