今年の教員採用試験はどうなる?志願者の倍率から考える

2019年07月09日 06:00

今年も教員採用試験が始まりました。各自治体から教員採用試験の倍率が出ていますが、上がった自治体もあれば、下がった自治体もあります。

志願者が増えた自治体、減った自治体

昨年度は倍率が大幅に下がって都庁に衝撃を与えた東京都はさらに受験者を減らし、過去10年で最少の応募者数だそうです。

参考:東京都教員採用、過去10年で最少の応募者数

東京都は先進自治体の名にふさわしく、様々な斬新な施策を打ち出し、教員たちの首を真綿でしめつづけています。東京都はオリンピックを盛りあげようと学校を総動員し、それが教員の負担をさらに増大させているという点も指摘しておきましょう。学生が敬遠する理由もわかる気がします。

参考:東京の教育は底が抜ける

また、川崎市のように

川崎市教委 教員試験応募者が激減 本年度 前年度比262人の大幅減

という報告を見れば、川崎市はコンプライアンス的にはかなり怪しい自治体なので、たしかに受験生が敬遠するだろうにと思えます。

参考:川崎市教委に見るコンプライアンス意識の低さ

でも、そのような陰湿さはどの自治体でも似たり寄ったりなのではないでしょうか。

もちろん、倍率が上がった自治体もあります。新潟県の倍率は、ここ数年、超低空飛行を続けていましたが、V字回復を果たしたようです。県教委は試験内容を大幅変更し、「受験者を増やし、優秀な人材の確保につなげたい」と強調していましたが、前年度が小学校1.2倍、中学校は2.3倍と全国最低水準だったということを考えると、むしろ上向かない方がおかしいとも言えます。

参考:教員採用試験 出願倍率が大幅上昇 新潟県内

このように地域によって、採用倍率は上がったり下がったりですが、全体として教職の人気は翳っているようです。現在、採用試験を受ける世代の人たちは、ひと昔前とちがい、疲労困憊する教員の姿を見ていますので、よほど教職に熱意とあこがれがないと志望してはいけないとわかっています。

教員人気復活の打開策は?

では、教職人気の抜本的な打開策はあるかを考えてみます。

もちろん、教職を魅力的で働きやすい職場にすれば、いきなりV字回復も簡単でしょう。しかし、そこは日本のお役所です。先輩方の今までの慣行が間違っていたなどとは口が裂けても言えません。働き方改革と口にはしていますが、ゆえに業務量を削減することは難しいのではないでしょうか。東京都のように働き方改革とは真逆に振れてしまっている自治体も多いです。また、どんなに募集した人材が劣化していたとしても、潰れることはありません。

もし受験倍率が上向くとしたら、それは退職者が減り、採用者数が激減する就職氷河期がふたたび到来するときではないでしょうか。

なんとも、もの悲しい予想になってしまいました。

志願者のみなさん、健闘を祈ります。

中沢 良平

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