参院選、この人に投票しました

2019年07月19日 21:30

今回(2019年)の参院選ほど、投票先に悩んだ選挙はありませんでした。

維新の会はダメだけど、東京選挙区はおときた駿

結論から言うと、東京選挙区は維新の会「おときた駿」に入れました。

まず断っておきたいのですが、僕は「日本維新の会」は全く支持していません。

理由は2つあります。

1つ目は、「離婚後共同親権」というトンデモな政策を、全党の中で唯一公約に入れてしまったからです。

離婚後共同親権がどんなにヤバい政策か、はこちらを御覧ください。

「離婚後共同親権はなぜダメなのか」

2つ目は、経済政策が「身を切る改革」等の緊縮的で有効では無いと思うからです。

緊縮は「経済政策で人は死ぬか?:公衆衛生学から見た不況対策」でも語られている通り、不況期においては効果的ではなく、なおかつ人を殺します。

(本を読むのはダルい、っていう人は、こちらの書評が分かりやすいです。

「自己責任論 VS みんなで支え合う論。 経済的にお得なのはどっち? データに基づいて検証してみた結果…」 )

日本はデフレなので、公務員削減や公務員給与の削減が民間にも波及し、賃金引き下げを誘発するよりも、政府支出を増やし、民間の賃金引き上げを促す最低賃金の引き上げや非正規公務員の待遇改善をしていった方がマクロで効果的だと思っています。

じゃあ政府の赤字は、借金は良いのか、という議論になりますが、自国通貨を発行できる主体である政府は、民間企業と異なり、赤字や債務についてはゼロにする必要はなく、急激なインフレが起きない程度にマネジメントしていけば良いと思います。

現在はゼロ金利/マイナス金利であり、国債の利率もインフレ兆候が見えないので、「身を切る」ことをやらずに、政府が率先して研究開発や教育に財政出動していくべきだと思っています。

理由

ではなぜおときた駿か。

おときたさんは友人だ、ということはあります。しかし、政策起業家としてはそれだけでは票は入れません。

1つ目は、維新の会のトンデモ政策、離婚後共同親権を、「東京維新の会の公約」からは外していることです。

維新の会本体にある政策を、彼はあえて入れてないわけで、これは一つのメッセージと受け取りました。

もしこれで本体の維新の会に迎合してトンデモ政策を推進するようであれば、「え、お前公約に書いて無かったよね?」とガン詰めしていけば良いと思います。

2つ目ですが、マッチョで福祉に疎い維新のストッパーになってもらえれば、という願いです。

彼はステップファミリーです。例えば離婚後共同親権になったら、彼のパートナーさんの元夫が、自分の子どもの進学先にいちいち口を出してこれるようになります。

誰よりも困るのは彼自身だし、多様な家族を実践している彼は、そういうことも理解できるはずです。

「離婚しても子どもは血の繋がった父親に絶対会いたいんだ!」とあるべき家族観を押し付けるマッチョな一部維新の会議員の中で、「いろんな家族がいまして・・・」ということを言ってくれるのでは、という勝手な期待を持ちました。

また、音喜多さんは特別養子縁組や里親支援等、社会的養護にも強い関心があります。
養育費等ひとり親支援も、パートナーが元ひとり親だったので、理解があります。

そんなわけで、福祉についてもある程度関心と想いはあるので、福祉音痴な維新の会の底上げになるのでは、と期待します。

最後に、合わなければとっとと辞める、という特性を彼は持っているので、維新もあまりにイケてなければ辞めるのではないか、という憶測です。(というか辞めてほしい)

比例代表も迷った

次に比例代表です。これは日本全国から「この人」「この党」と選べる制度です。

まず実績・実力的には先日も

駒崎弘樹が激推しする、尊すぎる参院選女性候補7人

でご紹介した、公明党の山本かなえ議員がピカイチで、参議院の宝とも言える方です。

ただ、山本かなえ議員はその優秀さゆえ盤石なので、自分の一票は受かるか分からない人に入れよう、と。

そこで気になったのは、立憲民主党のラグフェア「おっくん」こと「奥村政佳」。
彼は友人ですが、ガチの元保育士。アカペラグループで歌うアーティストでありながら保育士という異色の経歴。

「保育士の処遇を高めるには、(仕方ないけど)政治家になるしかない!」と立ち上がりました。
国会には元保育士は極端に少なく、現場を全然分かってない方が多数なので、彼みたいな人を送り出すことは保育業界にとってはすごく大事です。

また、立憲は先日紹介した若林智子さんもいて、彼女も本当に地道に地域で活動してきた方です。

寝たきりの障害者が議員になる意味(れいわ新選組)

そんな感じサクッと立憲に決めようかな、と思った時に出てきたのが、れいわ新選組です。

度肝を抜かれたのが、難病ALS当事者のふなごやすひこ氏と、重度障害者の木村英子さん。
ねたきりの車椅子の人たちが国会議員になるなんて、なんてすごいことだろう。

僕は何度も参議院の中に入ったことがありますが、バリアフリーなんて全然考えられていない建物です。
別にそれでも誰も困って無かった。だって車椅子の人がいなかったから。でも、当事者のいない中で障害者政策が、難病政策が作られるのって、どうなんだろう、と。

彼らが当事者として、国会内の多様性を高めてくれたら、素晴らしいことだろうな、と思いました。

結論:立憲民主

ただ、れいわ新選組については、山本太郎党首の東日本大震災時の福島東北への心無い発言を、家族が福島県にいる身としては忘れることができません。

また、医療デマを撒き散らす内海聡医師との対談本を出し、児童相談所が「子どもを拉致している」というトンデモな内容を肯定してしまっています。

さらに、マザーキラーと呼ばれる子宮頸がんを予防できる唯一の方法である、HPVワクチンにおいても、反対姿勢を持っておられます。

山本氏ブログ「2014.5.13内閣委員会「医療の産官学の癒着の構造、子宮頸がんワクチン問題について」

山本氏ブログ「2014.5.29内閣委員会「日米原子力協定、奨学金返還問題、子宮頸がん被害者救済、低線量被曝問題、水素エネルギーについて」

こうした反科学・反医療的な姿勢、また児童相談所に関するデマを信じてしまう陰謀論的な体質を鑑みるに、やはり当事者の方には頑張ってもらいたいと思いつつ、れいわ新選組に投票することはできない、と考えました。

そんなわけで、今回、比例は「立憲民主党」としました。
本当だと個人名を書くほうが直接その人を引き上げることになるので良いのですが、おっくんと若林さんのどちらかを選べず、党名としました。
(ちなみに、いつも立憲民主党を支持しているわけではありません。というか、どこの党も「いつも」支持しているわけではありません)

投票先を言うのは勇気が要る

今回、自分で書いておいてなんですが、投票先をカミングアウトするのは勇気が要るなぁ、と感じました。

というのも、自分も100%良いと思って入れてないからです。
というか「なんでこんなトンデモ公約(離婚後共同親権)掲げてる政党に入れてんの、俺」と半ば自己嫌悪に陥ったくらいです。

そのくらい辛かった。
それでもわざわざ投票先を開示したのは、政治的な話をタブーにしたくなかったからです。

どこの党に入れてみた、とか誰を支援してる、とか言ったらダメ、みたいな変な空気あるじゃないですか。そういうのをぶっ壊したいな、と。

どこのアイドルグループが推しなんだ、みたいな感覚で語られるようになれば、政治をもっと等身大のものとして関われるようになるのではないか、と。

そして、僕みたいに政治や政策に関わってる人間でも、悩んで自己嫌悪にさいなまれながら投票してる、っていうことを知ってもらえれば、みんな少しは気が楽になるかな、と。

民主主義って、こういう難しさを「あえて」引き受ける仕組みなんだよ、と。じゃなきゃ、誰かが全部決めてくれる、っていう楽だけで最低な政治形態を選ぶことになるから。

そんなわけで、悩みつつも書いてみました。
期日前投票所現場からは、以上です!


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2019年7月19日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。

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駒崎 弘樹
認定NPO法人フローレンス代表理事

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