自衛隊の憲法明文化が、文民統制を有効にする --- 丸山 清高

2019年07月31日 06:00

私は改憲に賛成であり、新保守主義的思想の持ち主です。
そしてどのような改憲に賛成かというと、現在の日本の状態を維持するような改憲です。

首相官邸サイトより:編集部

参院選の結果の見方ですが、私は改憲に賛成しているものの、改憲勢力が3分の2を下回ったことはむしろ歓迎しています。現状で改憲に向けた取り組みがされるということは、少なくとも強行採決されることだけは絶対に無いからです。

こうした状態で実施される改憲にこそ大きな意味があるでしょう。
健全なプロセスを経た手続きとなるので、その決定の正当性を保証されるからです。

与党の方々は、改憲に向けた正当な動きができ、野党はきちんと反対するべき部分に反対できるというわけです。これで本当におかしいものが含まれていれば、今度こそみんなでノーと言えばいいだけです。

そのため「何が日本のためになるのか」という観点で、より本質的な議論が、今度こそされるべき時であると思っています。

また、最もしてはいけないことは議論自体をしない。議論を避けて考えない。何の選択もしないことだと思います。

将来においても平和な国で在り続けるために、私たちは考えなければならないはずです。

「とにかく反対」であることが本当に反省したこと、あるいはその反戦の価値観を継承したことになるのでしょうか。その姿は、かつての空気に支配された全体主義的な状態と酷似しているように見えて戦々恐々とするばかりです。

たとえ力がそこにあっても、「同じ過ちを繰り返さないこと」が本当の意味での反省ではないでしょうか。
そしてその反省とは、「侵略戦争を行ったこと」「全体主義に陥って戦争を中止できなくなったこと」この2点に対してするべきです。

私は戦争には反対です。平和な我々の社会に生きている人なら、誰でもそうだと思います。戦争は絶対に引き起こしてはならないと思っています。

ですが国際情勢にひとたび目を向けてみれば、明らかに自衛隊という力が必要であることは言うまでもありません。それは我々が戦争をしなくとも、“巻き込まれる”場合や、今のところ考えにくいですが”攻撃を受ける”可能性が将来に向かっていつまでもつきまとうからです。

また「東シナ海」のような場合もあります。
安全保障上の問題が我々に及ぼす影響は、実際には有事のそれではなく、「経済」、日々の暮らしに対するものの方が大きいはずです。

排他的経済水域を、他国に占拠されるような状態となった場合に失われる経済的損失は計り知れません。
資源的な問題だけではなく海洋国家である日本近海は、常に貿易のためのタンカーが往来していることは、忘れるべきではないでしょう。

現代の平和主義的な世界情勢からして、メインの問題はこちらが本命となるでしょう。ようするに平和的なスタンスは同じだが、経済の問題となると別ということです。

現実的に考えて「防衛力」を欠いた状態だとどうなるのかというと、間違いなく「東シナ海」のような事態に陥るだけです。
(別に中国が嫌いなわけではありません。単に事実を指摘しているだけです。)

こうしたことから「専守防衛」自体は、我々国民の生命及び財産を守るために必要であると認めざるを得ません。武器の無い世界なら良いのでしょうが、残念なことに世界各国どの国も武装しているのがこの世界です。

こうした世界で、我々の社会では自衛隊に違憲判決が出された状態であり、「安保法制」は憲法審査委員会での専門家により違憲判断が出た状態です。

「改憲しなくても、今のままでいい」という意見もあると思いますが、現行の憲法下で我々の国を守っているのは「安保法制」です。

憲法を変えないままということは、自衛隊も安保も違憲のままです。ということは、いずれは廃止される流れとみるのが妥当でしょう。

このように自衛隊や集団的自衛権の扱いが、将来に渡って「今のまま」とするというのは現行憲法下では、もう既に不可能というわけです。

だから、“現在の日本の状態を維持するような改憲”なら賛成しています。

単に法解釈上の問題を解決するだけで、実質的に現状と変わらないならば構わないと思います。

また、自衛隊について明文化していないということは、逆に“どうにでもできる”とも受け取れます。管理していないのと同じでしょう。
明文化して平和主義的方向に定義した方が、むしろ安全性が増し文民統制が効くはずです。
現時点で、悪用するような人物がいなくとも将来時点では分からないのですから。

加えて、平和主義を盛り込んだ憲法を制定することで、世界に向かって今後も平和を訴えかけ続ける日本であることを発信できるはずです。
世界と関わる前に、自分達を定めるべきです。

現在および将来の日本にとって一番良い意思決定がされることを願うばかりです。
そのために、我々国民の側において活発な議論がなされるべではないでしょうか。

丸山 清高 会社員
公のことについて日々考えるSE。
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