これでいいのか?依存症対策

2019年08月13日 11:30

全国で相談会をやっていると、様々な情報が入って来ますが、現在、国の依存症対策の基本方針は、各県に拠点病院を策定することと、都道府県に必ず1箇所はある精神保健福祉センターが窓口となって、相談業務を行うということなんですね。
そこに自助グループや民間団体との連携と、文言だけはありますが、ギャンブルの場合この連携が殆どできていないのが実情です。

FineGraphics/写真AC(編集部)

本当に心からいいたいんですけど、病院もセンターも自助グループの真の魅力も分かっていないし、顔と顔を突き合わせた連携が取れていないし、何よりもご自分たちの役割がお分かりになっているのだろうか?という疑問がぬぐい去れません。

下手するとですよ、今まで手付かずだったギャンブルのプログラムで、名をあげようとプログラム作った人が必死になってる感が目立って、
「一体、誰のための依存症対策なの?」と、甚だ疑問です。

当事者プログラムにしろ、家族プログラムにしろ「うちのプログラムすごいんだぜ!」自慢・・・の先生がいるところって、まず絶対に自助グループが育っていないんですよね。
「うちは毎月80人の家族が集まって来ます!」って講演を聞いたことがあるんですけど、そこの県には家族の自助グループないですからね。
「いや、先生囲い込んじゃダメでしょ!」と、一人心の中でツッコミを入れていました。

いや、それでもまだ医療と繋がっているだけマシだとしましょう。
問題はセンターです、センター!
もちろんすごく理解のあるセンターの方もいらして、我々と近い関係性を築いて下さっている方もいらっしゃいます。
でも、そういう県はわずかで、都会ほど全然連携できてないんですよね。

東京近郊なんて、メンバー一番多いですけど、センターと交流してます!なんて仲間殆どいないですし、私も何回か挨拶させて頂きましたけど、なんか社交辞令的ご挨拶で終わり。
その後「こんな風に連携したいです。」と持ちかけても「検討します」っていう体のいい無視。

よく分かんないけど、特定のクリニックやカウンセラーなんかとのしがらみがあって、そういうところが入りこんでいると、他とは連携しないようなんですよね。
チラシとかみてると何年も同じ人が家族教室やっていて、しかもその人達が、パチンコから資金援助されてる団体の関係者だったりして、ホントこれでいいのか?と、疑問でならないですよ。
なんでずっとそことしか連携しないの?不思議でならないです。

うちなんか商売でもないし、めっちゃくちゃ高い確率で自助グループ繋げてんのに、東京も、千葉も、埼玉も、神奈川もセンターとぜ~んぜん連携してないし、家族教室なんか全く呼ばれませんからね。
一体何故かしら?私が、キャラ的に嫌われてることは充分考えられますけど(笑)、そんな好き嫌いで公の機関が連携先決めていいわけないですよね?違うんですか???

それでも自助グループにガンガン繋がってくるんなら、全然構わないんですよ。
むしろそのほうがこっちは楽でいい。
でも、センターからってぜ~んぜん繋がって来ないです。

そして自力で我々に繋がってきた人の話を聞くと、
「なんじゃそりゃ!?」と愕然とすることしきりなんです。

先日もですね、こんな話があったんですね。
本人はもちろん否認しているんですが、その妻も感情的になるばかりで相談機関などに繋がらない・・・という、よくあるパターンに陥っている、ギャンブラーの母からのご相談だったんですけど、センターに相談したら、
「家族だけでは解決が困難ですから、ギャンブラーの妻が相談に来るよう説得するのがお母さんの役割。」
って言われたそうなんですよ。

はぁぁぁぁあ!?
いや、妻が行かないし、母は妻の手前罪悪感にかられ間に入っておろおろしてんですよ。
説得できないから、センターに相談に行ったんですよね?
それを「家族じゃ解決できない」と言いながら「母が説得しろ!」って矛盾しまくってんでしょうよ!
いやいや、そこなんとかするのがセンターの役割じゃないのさ!

こういうの聞くと、本当にギャンブラーとその家族の命と人生の時間を何だと思ってんだ!
軽く考えてんじゃね~よ!相談時間だけ過ごせばいいと思ってんじゃね~よ!勉強しに来いよ!
と、マジで怒髪天をついちゃうんですよね私。
この件で、今日は怒り狂って、このブログ書いている訳ですけどね!

だってそうじゃないですか!
こうやって「やっぱり無理だ・・・」ってあきらめていく家族がどれだけ沢山いることか!
だから、ギャンブル依存症問題は全然解決していかないし、日本の自助グループは増えないし、不幸な家庭の不幸な話はあとをたたないんですよ。

私が思うに、日本の家庭内殺人とかに追い詰められている人って、それまでに行政に相談している人多いと思いますよ。
でも、なんとかなるまできっちり関わってくれてる行政マンがいないんですよ。
だから家族はあきらめて、追いつめられていくんだと思います。

上記のような場合、
1)センターもしくは、センターから保健所に連携をとって、当事者もしくは妻の介入を試みる。
2)母の責任ではないから、母は夫婦の問題から手をひき、その代わり自助グループに行きなさいと勧める。
3)我々の様な民間団体に繋げる。

こんな方法があると思うんですよ。これが連携じゃないんですか?
もちろん逆もありますよ。
民間じゃどうにもできない場合には関係各所に連携をとって貰って救い出す体制を整える。
ってなことをやっています。

先日も某県で、暴力振るってる息子の件で、相談会に来られたお母さんがいたんですけど、これは地域連携でやるっきゃない!と思ったんで、地元の仲間に付き添って貰ってセンターに相談に行き、そこから保健所に連携してもらって本人に介入。そして医療センターに入院。
という手筈を整えたことがありましたけど、相談が来たらなんとか目鼻をつけてやんなきゃならないでしょうよ?

我々なんかは相談会に来た人には、
①今の不安材料に対する具体的アドバイスをする。
例えば、家族の財産をどう守るか、借金の取り立て、子供のこと、暴力、暴言などなどに、
どう対処するかってことを伝えますよね。

②家族を自助グループか家族会に繋げる!
大体、繋がります。何故なら自助グループの魅力を知りつくしているし、
家族がどうやったら繋がるか、ツボがわかるからです。
最近、特に確率があがりました。

③家族が自助グループに繋がった後にとるべき行動の示唆
家族が自助につながると、多分、こんなようなことが起こるから、
こうなったらこうする、こうだったらこう、こっちはこうね!と具体的に指示しときます。

④しばらくすると指示通りのこともしくは全く予想外のことで事態が動く
それまでにあらかじめ本人をどこに繋げたいか?決めておいて貰ってそうする。

ってな感じですかね。もちろん上手くいかないこともありますけど、その場合は次のチャンスを狙っていきます。
でも、自助に繋がっていれば、この頃には家族もしっかりしてきていますからね。
少なくとも本人と境界線はひけるから大丈夫です。

私、こうやって文句ばっか言って、吠えてるから生意気だと嫌われるんでしょうけど、だけどね~、特に都心の今のギャンブル依存症対策の現状は本当にひどいと思います。
いやむしろしたでに出て、挨拶にも行ったり、連携のお願いもしたんですよね~。
でも、長年のやり方や人選を変えようとしない。
例えその人にギャンブル産業との利益相反があろうとも・・・ガクブル(泣)
げにおそろしき公務員のしがらみ・・・

もう少し、我々民間の長年の知恵に敬意を払って、我々が自助に繋げるテクニックも知って欲しいです。
例えば我々の相談会に参加してくれるとかですよ、我々を相談会に呼んでくれるとか、時には一緒に事例検討会をやるとかですね。
あと、センター完結で上手くいった方法とか、上手く行った人の話とかも教えて欲しいです。

あたしゃ、マジで仲間見殺しにするような奴は絶対に許せないんすよ!
相談会や家族教室なんて、具体的な行動変容が起こせなきゃ意味ないじゃないですか。
そのために皆さんお給料もらって配属されてんですよね?
ただただ話を聞くだけなら、オウムでもできると思いませんか?

家族が相談に行ったら、センターに何ができるのか?
それを具体的に示してあげて下さい。
そしてできない部分は民間団体や自助グループと連携して下さい。
くれぐれも家族に全てを背負わせないように宜しくお願いしますね!


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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