N国 立花代表へ 一個人や私企業を叩くより、国民のための仕事を --- 中川 淳一郎

2019年08月15日 06:00

「NHKから国民を守る党」の参議院議員・立花孝志代表が、同氏と同党に投票した有権者に対して『5時に夢中!』(TOKYO MX)月曜レギュラーのマツコ・デラックス氏が批判したことを受け、マツコ氏を批判する動画をYouTubeに複数回公開しました。その後はTOKYO MXの前で「出待ち」的なことをしました。

(動画は立花氏のYouTubeより:編集部)

さらには、同番組のスポンサーの不買も宣言しています。不買を扇動しているわけではないものの、影響力のあるご自身が「買わない」と宣言している以上、「不買運動」と表現するウェブメディアもあります。

立花氏はマツコ氏が公共の場で同党及び支持者を批判したことに対して見解を述べるべきである、と仰っております。それは正論です。ただし、この件については日本国をより良くするために働くことが求められる国会議員がやることなのでしょうか。

マツコ氏が「論客」や別の芸能人に同様の批判をし、反論された場合はキチンとその意図を説明する必要はあるでしょう。ただし、国会議員は違う。国のために働くべく多額のカネをもらい、快適に移動をしたり安く居住する特権が与えられている。それは、あなたが公表した給与明細を見ても明らかですし、それを公表したことには「あっぱれ」と言うしかありません。

そんな状況下、マツコ氏は一国民として、御党の政策に異議を呈したわけであり、その異議に対して職場まで押しかけて抗議の意を示すというのは我々の代表たる立花氏におかれましては、「それ以外にやることがたくさんあるのではないでしょうか?」とも思います。

ましてや、『5時に夢中!』のスポンサーを名指ししたうえで、「立花さんが不買するのならば私も買わない!」と一部の人が思うであろうことを扇動することは決して国のためになりません。

百歩譲って、立花氏が支持を集めた「NHKをぶっ壊す」というイシューに関連し、NHKに対して行動をするのならば、少しは筋道が通っていると思いますし、公約通りでしょう。しかし、なんでNHKではなく、MXをここまで叩くのですか?

今のあなたの主張はあくまでもマツコ氏という現在の芸能界において最高峰の人気者である人物を叩くことにより、ご自身及び御党の存在感を高めることに繋げようという意図があるのでは、と思ってしまいます。

これからあなたは「MXもぶっ壊す」「マツコもぶっ壊す」を党是に入れ、さらには批判者のことを「ぶっ壊す」と宣言をし、敵を作る、いや、国民から呆れられることを求めているのでしょうか。私は国会議員という存在は我々の代表たる崇高なる存在であり、国のこと全体を考えて信念をもって動く方々だと思っていました。

それなのに私人を攻撃し、私企業を名指しして批判するあなたの姿勢に対してはマツコ氏が意見した内容と同様の感覚を抱いてしまいます。どうか、御党に投票した有権者の清き一票を汚さないようにしてください。私など無名のモノカキではありますが、立花さんのこれまでの活動については「ついにここまで行動力があり、議論を発生させる議員が誕生したか!」と拍手喝采をしました。

それについては「週刊新潮」でも書きました。立花さん、あなたのこれまでの行動力に感銘を受けたこともある身としては、別にやるべきことはあるのでは、と申したくなりました。今後のますますのご活躍を祈念いたします。ただし、それは個人や私企業への攻撃ではありません。それは国会議員の立場ではなくなった時に存分におやりくださいませ。

今は、国のために何ができるかを考える時期なのではないでしょうか。


中川 淳一郎  (なかがわ じゅんいちろう) ネットニュース編集者・PRプランナー
1973年生まれ。東京都立川市出身。一橋大学卒業後、博報堂で企業のPR業務を担当し、2001年に退社。CM・広告関連記事を担当する雑誌ライターとして活動後、「TVBros.」編集者などを経て現在に至る。代表作「ウェブはバカと暇人のもの」(光文社新書)はベストセラー。


編集部より:この記事は、中川淳一郎氏のブログ「おはよウサギ!」2019年8月14日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた中川氏に心より御礼申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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