教員の過重労働は教員自身のキャリア形成の失敗である

2019年08月25日 11:30

教員の働き方がたいへんなことになっているということは、巷間に知れわたっています。
なぜ、働き方がたいへんになってしまったのかということを考えると原因はいつくかあります。

・事務作業の増大(報告書、査定業務等)
・子供たちの変化(教師を敬わない)
・保護者や地域からのクレームの増加
・行事やイベントの増加
・授業時数の大幅な増加
・部活動等の課外業務

とぱっと思いつくだけでも、これだけあげられます。

教育委員会や管理職の市民へのアピール

では、短期間でなぜ教員の仕事がここまで膨れ上がってしまったのでしょう。

それは教育委員会や管理職の市民へのアピールです。「ボクたちこれだけがんばってるから、なにも文句言わないでね!」というエクスキューズのためです。

では、これを裁判やら労働運動やらで、逆回転させることはできるのでしょうか。

これは難しいと思います。公務員の世界では、倒産はありません。ゆえに業務を根本から見直そうという機運は、生まれにくいです。夕張市くらい追い込まれれば変わるでしょうが、先輩の業績は否定できないため、一度できた業務は残り続けるでしょう。

「いやならやめろ」と言われますが、すでに教員が不足している地域も多いです。

いちばんの対策は、新卒でこの業界に足を踏み入れない

教員個人のいちばんの対策としては、「この業界に新卒で足を踏み入れない」です。新卒で教員にならなければいいのです。

教員になってしまうと、もう他業界に転職することはかなり難しくなります。逆はぜんぜんあります。ようするに、新卒で教員という職業にロックオンされてしまうと、どうにもこうにもつぶしの利かないキャリアになってしまうのです。

そこで提案ですが、教員の採用試験の受験を30歳以降にずらしたらどうでしょうか。受験資格に年齢制限もないですし。

20代はキャリア形成においてとても貴重な時期です。この時期に、正直50歳からでも新規参入できる教員という仕事にロックオンされてしまうのは、人材の浪費です。(50代で新規採用され立派に務めている先生はたくさんいます。他の業界ではこうはいかないでしょう)

一般企業かどこかで、しっかり転職できるくらいのキャリアを積んでから採用試験を受けてもいいと思います。

それで、「教職は業務量がハンパないな・・・自分に向かないな・・・」と思ったら、もとの業界に戻ればいいのです。

そうすれば、教員に向かない人が生活の糧を得るために60代まで教職にしがみつき続けるという悲劇を防ぐことができると思います。なにより子供たちのためです。

流動性を自ら高めるメリット

また、流動性が高まることによって教員が他業界に流出し、教育委員会や管理職も危機感を抱き、処遇を改めようとするでしょう。

なにより、教員を目指す若者たちが、教員しか目指せないことによって、学校は閉鎖的な価値観で満たされた空間になっています。

これは教員を目指す若者たちへのキャリア教育の失敗と言ってもいいでしょう。「子供たちにキャリア教育を」という前に、自分たちのキャリア形成を失敗しているのです。

もし教員のキャリアがパラレルなものであったら、理不尽な処遇に対して声を上げられるはずです。現場の教員が、教職という仕事しかできないために声があげられない状態になっています。

民間企業は、労働者の流動化が進んだことによって、処遇を改めざるを得ませんでした。

教員たちもそれに見習うよう、就職の段階から戦略的に立ち回ることを願います。

中沢 良平

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