外国人の米住宅販売件数、金融危機後の最低を更新

2019年08月29日 06:00

世界景気の減速が効いたのか、トランプ政権の政策が影響したのか、外国人の米国住宅市場離れが進んでおります。

カバー写真:Andreas Komodromos/Flickr

全米リアルター協会(NAR)によれば、外国人の中古住宅販売件数(2018年4月~19年3月)は、前年比31.4%減の18.3万件でした。世界経済の減速、ドル高、貿易摩擦といった向かい風に加え、トランプ政権が中国を始め海外企業による米企業への投資規制を強化するなかで、件数は金融危機後で最低に、減少率は最大となります。金額ベースでも同35.6%減の779億ドルに落ち込みました。

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(作成:My Big Apple NY)

上位5ヵ国の動向は、以下の通り。

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(作成:My Big Apple NY)

気になる中国は、2015年にカナダを抜いて件数ベースで1位に躍り出たものの、2019年は前年比50.7%も急減した結果1万9,900件となり、カナダに並ばれてしまいました。その他各国も減少し、カナダは27.4%減、移民政策の強化でやり玉に挙げられてきたメキシコは52.0%減、BREXITに揺れる英国は42.2%減となっています。上位5ヵ国で販売件数が増加したのは、インドのみで21.4%増でした。

インド・ルピーでの住宅価格上昇率は13%、対ルピーでドルは8%上昇するなどインド人は最もドル高の余波を受けたにも関わらず、販売件数は増加。

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(作成:My Big Apple NY)

住宅市場関係者にとってはバッドニュースですが、米国人にとってはグッドニュースと言えるでしょう。外国人の住宅販売価格・中央値は28.1万ドルと米国人の26.0万ドルを超え、現金比率も8%と米国人の3%をゆうに上回るだけに、外国人と入札競争に陥った場合、米国人が敗北しないとも限りません。販売向け住宅在庫が限定的な状況では、競争相手は少ないに限る。米国人同士の戦いが熾烈となるリスクを残しつつも、少なくとも住宅価格の上昇ペースは実際に鈍化しており、米国の住宅保有率の改善に望みをつなぎます。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2019年8月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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