資料作成のテクニック!「A4一枚」以外は考えられない

2019年08月30日 06:00

Photos by K.Bito

多くのビジネスパーソンは日常的に様々な資料を作成している。しかし、いい資料を作成したつもりでも、その意図が相手に伝わらないことがある。

実は、資料に書き込むことはほぼ決まっており、各パートで何が書かれるかには一定のパターンがある。優秀なビジネスパーソンなら周知している鉄則である。

今回は、『「A4一枚」から始める最速の資料作成術社内プレゼン一発OK!』(CCCメディアハウス)を紹介したい。著者は、組織人事コンサルタントの稲葉崇志さん。人材教育や制度改革のコンサルティングなど組織人事領域専門としている。

資料作りを侮ってはいけない

以前、私が所属していたコンサルティングファームでは、「資料の正確さ」「フォーマットの完璧さ」が求められていた。フォントのサイズ、リード文の長さ、図式の位置、ロゴマークの位置が数ミリずれているかどうかでいつも大騒ぎになる。

プレゼンテーションは「プレゼント」として理解した。相手にプレゼントをする企画書に手抜かりがあってはいけないという意味である。企画書は見た目がすべてだった。若手社員は上司に怒鳴られ深夜まで資料作成に励んでいた。

一流といわれるコンサルタントは、詐欺師的でありアンビバレントな雰囲気を兼ね合わせている。ドキュメント数枚で経営者を説得し合意形成をしなければいけないからだ。ある意味、普通ではない。究極のプレゼンテーションの姿でもある。

コンサルタントの任命権者は社長である。社長と契約書が交わされる。報酬は金銭以外にも、目的や成果を達成したら株式を譲渡するとか、事業を別会社化するとか、役員合流を承認するなど様々である。経営者との「握り」であるから簡単には他言はできない。プロジェクト終了後も守秘義務を遵守するようなものまである。

コンサル会社でよくある出来事

あなたの名前は稲葉さん。マーノ&タダシ・イノベーション・アソシエイツ(仮名)に勤務する社員でコンサルティング部に所属している。職責はアカウントエグゼクティブ、2年目の新人だ。上司の、生方マネジャーが明日のプレゼン資料について確認をしてきた。

(生方マネジャー)「いいか、お前たち。明日は先方の社長が同席する。出席は5名だ。念のため資料はカラーで10部用意して製本しろ。オレと稲葉で5部ずつ持参する。これなら何かあっても安心だ。表紙の色は黄色にしろ。そのほうがお金にしやすくなる」

(稲葉AE)「企画書の枚数が100枚を超しています。これは少々多すぎませんか?エグゼクティブサマリーを用意して1枚にまとめたほうが読みやすいと思います」

(生方マネジャー)「ハァ?資料1枚で数千万円の受注ができると思っているのか?枚数が少なかったら熱意が伝わらないじゃないか!プレゼンテーションには『プレゼント』の意味がある。気持ちを込めて用意するんだ!」

そんなとき、間野社長から全社員に通達がある。内容は「印刷費が増加傾向にあること。資料の枚数は少なくすること。カラー印刷は原則禁止。社内打合せにはヤレ紙を使用せよ」というもの。これで、明日の資料をカラーで用意することができなくなった。

生方課長はメンバーを集めた。「お前たち、社長のお言葉を聞いたか!すべての資料は1枚にまとめろ!カラーは禁止だ!ピンチはチャンスだ!夢に日付をいれろ!途中で諦めるな!夢にときめけ!明日にきらめけ!」。なお、本ストーリーはフィクションである。

本書で資料作成の基礎を学べ

中銀カプセルタワービル(wikipedia)

プレゼン資料で最も大切なことはなにか?多くの人は間違っている。見た目を良くしようとスライド作成に時間をかけすぎる人が多い。伝えるべき内容を精査することが重要だが、見映えに腐心してしまうのである。

稲葉さんは、「A4一枚」のメリットとして、多くの企業で「A4」サイズを定型としていることを挙げている。そのため、作成者と読み手の負担を減らす効果がある。私たちは、毎日なんらかの資料を作成しているが、その多くはA4サイズである。

右・稲葉さん、左・投資家の生方正さん

なお、9月4日(水)21時~から、Schooというネット講座で「A4一枚から始める『高速』資料作成術」が放送される。稲葉さんが講師をされるそうなので関心のある方は視聴されたし。

稲葉さんは中銀カプセルタワービル(黒川紀章が設計。画像参照)にオフィスを構えている。次回はオフィスを見学したいものである。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※14冊目の著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を出版しました。

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尾藤 克之
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員

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