オフショア企業の変革...。日本の夢や希望

ベトナムにある所謂オフショア企業「RIKKEI SOFT」の従業員1000名突破記念お客様感謝祭に参加しました。このイベントは、本社のあるベトナム・ハノイではなく、東京で催されたのです。

RIKKEI SOFTは東京にも日本法人を設立し、日本企業向けのビジネスサポートをしているので、東京で行われることは特段不思議ではありません。日本法人の代表者も創業メンバーの一人です。当日は創業者面々がベトナムからも来ていて、日越の何とも言えないビジネス交流の世界が見えた気がします。

それでも、何故、日本なの東京なの、という疑問を感じるのは当然の事かもしれません。実は創業者5名が、慶應義塾大学と立命館大学に留学し、情報工学を学び、ベトナムで起業したからです。

感謝祭には立命館大学の総長や、慶應義塾大学の指導教授が来賓として招かれたいました。海外視察をご一緒し、国会議員時代の勉強会に何度もいらして頂いた慶應の村井純教授とここで出会うとは思いもしていませんでした。

「Made In Japanは僕らの世代の信頼の証明でした。いつかMade In Vietnamが信頼の証明となるように貢献していきたい」主催者挨拶で会長が話したスピーチです。企業経営に、この思いはとても大切だと思います。

僕はベトナムに起業支援拠点・育成施策の視察に行った際に、ITベンチャー企業へのヒアリングも行っていました。その際に訪問したのがRIKKEI SOFTでした。知人の紹介で訪問したのですが、立教大学(RIKKYO)と慶應義塾大学(KEIO)の留学経験がある創業者で…、と教えられてのことでした。訪問してみると立教ではなく立命館(RITSUMEIKAN)の「RI」でした。でも不思議な縁で、それ以降日本法人のフイ社長と交流を続けています。

主に日本企業のオフショア開発を手掛けるRIKKEIですが、米国等の他国のオフショアも手掛けています。日本でもコードを書けるIT人材が不足していることもあり、単純に人件費と言う視点だけでなく、人がいないという課題もありオフショア開発は進んでいます。これは、日本企業だけが置かれてる状況ではありません。

しかし、RIKKEIにとっては、オフショア開発だけでは企業の成長が継続的に望めないことも確かです。その意味でもRIKKEIは、独自のサービスを提供できる体制づくり、開発したサービスの売り揚げ比率を増やしていく事が大切になるのです。

現在30歳代になった日本留学経験のある創業メンバー5人が2012年に設立したベトナムIT企業。7年で1000人規模の従業員になり、今後は世界展開を前提に10000人規模の企業を目指しています。RIKKEIがこれからどのように進化し、社会課題を解決し、ベトナム国にそして日本に、そして世界に貢献する企業になっいくのか、発展の歴史を見続けていきたいと思っています。

日本企業が戦後、そして高度経済成長期、バブル期と経済が大きくなり、企業が成長し、給料が毎年高くなり、皆が将来の夢や希望に満ち溢れていた時代は何だったのか?その答えをベトナムのIT企業の発展を見据えて見出していきたいと思っています。

現在の日本でも、一部は夢や希望に満ちている人はいます。しかし、大切なのは、どんな学歴だろうが、生まれた家庭環境や勤めている企業規模にも関係なく、皆が夢や希望を持てる社会、つまり努力すればそれが、結果になる公平な社会があることです。途上国の発展モデルではない、経済先進国の発展モデルが見えないのです。

政治家の役割は、それが実現する社会を施策により構築することなのではないでしょうか?それが、次の世代に伝えていかなくてはならないことと思います。


編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2019年9月3日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。