うそだったのか繰上げ都知事選挙、本当なのか7月実施 --- 中村 哲也

2019年09月15日 06:00

2016年6月、小池氏(当時)は、都知事選出馬表明の場で4年後の選挙がオリンピックの時期と重なることを問われ、「任期を意思として3年半と区切り、それを公にして実行していくことで混乱を避けるという知恵がある」と発言しています。

就任からまもなく3年半になりますが、小池知事は、任期途中の辞職を明言していません。うそだったのでしょうか?

都知事公式Facebookより:編集部

もちろん、うそではありません。出直し選挙で再選した首長の任期を制限する法律がそのままなので、辞職では解決しないことから、来年の都知事選は7月実施と言われています。

しかし、政治は、生き馬の目を抜く世界です。今後の国会の動き次第では、別な時期に実施される可能性を残しています。そこで、誰が立候補するかではない、もうひとつの都知事選予想として、実施時期を大胆に予想してみました。

私の予想は、以下です。「馬」つながりで、競馬風に表記し、順に、解説します。

本命 7月実施
対抗 1月実施
10月実施
大穴  5月実施

 

まず、本命(◎)の7月実施についてです。このまま法改正などがなければ、7月実施となります。都知事選に関する多くの記事、論評も7月実施を前提にしています。競馬予想の世界では、誰もがそう思う本命については不安要素を解説するように、7月実施の“不安要素”を説明します。

ひとつは、二階幹事長の発言です。今年7月30日の記者会見で、都知事選の日程を前後にずらす可能性を問われ、こう答えました。

「それは当然、東京都のご意見、東京都民の皆さんのご意見を聞いて判断すべきことであって、オリンピックと東京都知事選挙は直接に、大きく言えば関係すると言えば関係しますが、選挙の執行に対しては、特に関係が直接にあるわけではありませんから。そこは十分、周囲のご意見に耳を傾けながら慎重に対応したいと思っています。」(自民党HPより)

すなわち、選挙日程を前後にずらすことについて否定しませんでした。

開会式まで1年を切ったこの時点では、開会式前に行われる大会関連の各種行事のスケジュール、詳細が組まれているはずです。7月実施に備えて、大会組織委員会や都の関係部署が連絡を密にし、影響が最小限になるよう、また、万全を期すよう対応しているといった発言があってもおかしくなかったにもかかわらず、オリンピックと選挙は直接関係がないと語っています。

小池都知事も、最近のインタビューで都知事選の時期について問われ、「国の方で考えること」と答えています。法律改正が念頭にあった発言です。また、7月実施の場合に備えて影響を最小限にする、万全を期すよう指示しているという趣旨の発言もなかったようです。

以上が本命(◎)7月実施の“不安要素”です。「競馬に絶対はない。」と言われるように、7月実施も絶対ではない…かもしれません。

次に、対抗(〇)の1月実施についてです。他ならぬ小池知事自身が出馬前に、「3年半と区切り」と発言していることから、対抗(〇)としました。

1月実施の前提条件として、特例法の成立が必要になります。しかし、大会日程はとっくの昔に決まっているのに、なぜ今、特例法提出なのかという疑義が生じます。しかも、提出のタイミングである秋の国会は10月開会との観測もあるなか、特例法成立が11月、知事の辞職が12月、選挙が1月となれば、対立候補の側は抜き打ちだと批判するでしょう。この特例法の提出には、よほどの大義がないと難しいように思います。

しかし、勝てると見れば、なりふり構わず、豪腕で推し進めるのも政治の世界です。1月実施の可能性がないとは言えません。また、小池知事の立場からは、元々3年半と発言していたと言うことができます。特例法は「国の方で考えること」なので、小池知事が批判の矢面には立ちません。

続いて、穴(▲)の10月実施についてです。前提条件としては、任期延長の特例法が国会で成立する必要があります。ただし、こうした特例法は、阪神淡路、東日本大震災直後の例のみなので、今後、どのような大義を掲げて、あるいはなぜこのタイミングで提案するのかといった課題があります。

ひとつの可能性として、今期の任期延長と次の任期短縮をセットにした特例法が考えられます。なんとなく帳尻が合っており、7月の選挙を回避できるので、強く反対しにくい案です。

次の任期短縮については、都議会での不信任決議と同等の手続き(4分の3以上の同意)が条件になると考えられ、国会と都議会が連動することで日の目を見る案であることから、このタイミングの提案となったと言えなくもありません。

シナリオとしては、「任期を3年半と区切り」との過去の発言に対する批判が高まる年末から来年早々に、国会と都議会関係者が連動して、この特例法が議論され、その後、審議、成立することが考えられます。

次の任期短縮のための都議会4分の3以上の同意のハードルは高いのですが、「反対すると特例法が使えず7月に選挙せざるを得なくなる。」という状況が作られると、都議会野党は対応に困るはずです。

小池知事としては、大会の開会式、閉会式など、晴れやかな場に確実に登場できるので魅力的な案になると思います。ただ、政治の世界は怖いので、大会で浮かれていると、その間に着々と「大会を花道に退場」という流れが作られるかもしれません。

最後に、大穴(☆)5月実施についてです。

前提条件としては、特例法か一般法の改正です。この秋の臨時国会で審議、成立すれば、対立候補から抜き打ちとの批判は生じません。いちばん問題のない方法だと考えますが、政治的には選択されそうにないので、大穴(☆)としました。内容は、拙稿「議員立法で都知事選を5月に」でご覧ください。

中村 哲也   団体職員(建設分野)

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