快挙!NHKあさイチ あっぱれ!おおたわ史絵先生!

2019年09月14日 06:00

本日朝8時過ぎ、仲間からのLINEが鳴りやまず「何事?」と思ってみると、
NHKの「あさイチ」という番組で、内科医でコメンテーターとしてもおなじみのおおたわ史絵先生が、薬物依存症の家族としての体験をもとに、薬物依存症者の家族の取るべき道についてお話しされているとのこと。

あわててテレビを拝見しましたが、これがまた快挙とも言える素晴らしい番組だったんです。

最近おおたわ史絵先生は、お母様が鎮痛剤の依存症であったことをカミングアウトされ、その家族としての悪戦苦闘の日々を振り返り、発信して下さっています。

これは我々にとっても大変有難い出来事で、有名人であるおおたわ先生がこのような発言をなさること、実に勇気がいったことと拝察され、我々としても感謝の気持ちでいっぱいです。

おおたわ先生のお母様は、もともとは重度の腹膜炎の後遺症の痛みを和らげるために、お医者様でもあったお父様から鎮痛剤の注射を受けていて、家族も本人も気がつかないうちに、薬物依存症となっていたそうです。元看護婦さんでもあったお母様は、自分で注射が打ててしまうため、どんどん依存していってしまったとのことでした。

番組で、家族がどのような行動を起こしたかご紹介して下さっているのですが、相談に行った病院で、「まず家族が入院しなさい」とすすめられ驚いたそうなんですね。

NHK「あさイチ」より

これは、最近はあまり行われませんが、私が自助グループに繋がった15年ほど前には、時々聞く話で、疲れ切った家族がまず本人から離れ、一休みしながら正しい知識を身につけていくという方法です。おおたわ史絵先生とお父様もこのやり方をおすすめされ、実行に移されたようです。

そして家族のグループミーティングに参加され、「状況はそれぞれ違っても家族の心はみな似ていて、やめさせられないことが非常に苦しいと思っていて、そのために自分も傷めつけていて、
見えない闇の中でもがいていて…という自分たちと同じ気持ちでいる人達がこんなにも沢山いるのか!と驚いたと同時に、他の家族と話していると楽になっていく感じがあった。」
ということに気付かれたそうです。
これは、我々依存症者家族の回復の過程と全く同じです。

そして、お父様がミーティングで教えられた家族の心得を書きとめておられそれを番組でご紹介されました。

家族が快復時期にすべきこと」というタイトルになっていて、
①正しい知識をもつこと
②家族の快復の体験をきくこと
③仲間を作ってください
④自分をよくすることに集中しなさい。自分が変わること
⑤徹底してやってみること
という内容になっていました。

おおたわ先生がどこの病院に行かれたかは不明ですが、これは実によいお医者さんにあたりましたね~。

時々、ポンコツ医療者にあたってしまうと、自分の病院に家族を囲い込み「家族が管理せよ」と、
特にギャンブルなんかは「家族の金銭管理が重要」なんて、真逆のことを教える医者がいますからね。ファーストコンタクトに恵まれたと思います。

家族は、この「変えられない人」(つまり依存症当事者ですが)を変えようと必死になっていると状況はなかなか変わっていきません。

それよりも「変えられる人」つまりは家族自身が、対応を変えていくことで状況が変わっていく、
我々、家族が家族グループで最初に教えられるこの真実を受け入れられるかが、その後の鍵になっていきます。実際、おおたわ先生も「目からうろこだった!」とおっしゃっています。

そしておおたわ先生がその後、依存症の勉強を勧めるにあたって、
依存症者にはこんな6つの特徴があるということを学びます。

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①自己評価が低く自分に自信をもてない
②人を信じられない
③本音を言えない
④見捨てられる不安が強い
⑤孤独でさみしい
⑥自分を大切にできない

これは、個人の回復のプロセスの振り返り、特に親と問題があった人の中でよく出てくる言葉ですね。

もちろん私も、ばっちりあてはまりますが、逆に言えばこの6つなんて皆あてはまんじゃないの?
もしくは、いくつかはあてはまるでしょうよ~。という気持ちもあります。
あとは、自分では気がついていないけど、潜在意識にあるとかね。案外、自信満々学歴や職場の看板で「人生の勝ち組!」みたいに誇っている人の中にも、「この人本当は自信ないのね…」なんて透けて見えちゃう人って沢山いますもんね。だから結局、みんな抱えていて、誰にでもなる可能性はあるよね!と私なんかは思っています。

それと、こういった気持ちや感情を持っていようがいまいが、単なる習慣や、例えばシフト勤務の人が、朝寝ようとしてお酒の力を借りる…とかですね、そういう現実社会に適応しようとして、依存症になっちゃう人ももちろんいます。

で、みんな抱えている生きづらさに適応しようとして依存症になった我々の様な人間にとって、依存症はおぼれそうな時に掴んだ「浮き輪」の様なものなんです。

これを番組でおおたわ先生は実際に「浮き輪」を使って説明され、「この浮き輪を離して、この手を掴んで」と伝えることが、回復へのアプローチのはじまりとお伝えくださいました。

これすごく分かりやすかったですね~。

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私の場合は、最後買い物依存が止まらなくて苦しんでいる時に仲間から「りこさんがこれがないと死んじゃう!って思ってしがみついているものはね、浮き輪なんかじゃなくて、鉄とか、石のような自分を沈めちゃうものなのよ。だから思い切って手を話してご覧よ。そしたら自分の力でプカっと浮くから~!」と声をかけて貰ったこと、そしてそれが実際にやめていくきっかけとなった言葉となりました。

番組の最後に、番組に送られてきたメールやFAXが紹介されたんですけど、その中に「株やFXにハマっている親族がいます」っていうギャンブル依存のご相談があったんですね。それに対して、おおたわ先生が、
「本人を良くしたいと思って、本人をどこかに連れていこう!とするのではなく、ご家族がまず、ギャンブル依存症のご家族があつまっている『ギャマノン』に参加してみてください。本人が行きたいのならともかく、本人を連れていくのは難しいと思います。」
ときっぱりとおっしゃって下さり、家族の自助グループを勧めて下さったことも、最高に的を得ているご回答だったと思います。

NHKあさイチさん、そしてゲストのおおたわ史絵先生、依存症者とその家族のために役立つ、とても有用かつ意義ある番組を放映して下さり有難うございました!

本当に時代は変わりつつある!と希望を持つことができました。
仲間一同より、感謝の言葉をお送りいたします。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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