DSEI2019と英海兵隊訪問

2019年09月21日 06:00

随分と更新の間が空いてしまいました。
先週はDSEIに参加し、今週は英海兵隊司令部及び基地にいってきました。6年前の同訓練センターもそうですが、日本人ジャーナリストとして初の訪問でした。

英海兵隊は特殊部隊のオペレーターの6割を輩出している組織で、ここで特殊部隊も訓練されることもあって保安が非常に厳しい部隊です。司令部で副司令らから様々なレクチャーを受け、また各部隊を案内してもらい、途中停泊中のアルビオンも間近で見ることができました。とはいえ、センシティブな話も多かったので全部が公にできる情報ではありませんでしたが、非常に大きな成果がありました。

本番前日、非公式に副司令や最先任曹長らと会食したのですが、ちょっと前まで陸自のファーストエイドキットが止血帯、包帯が各一個だったこと、護衛艦に殆ど医官乗っていないことなどを話したらたいへん驚いていました。

さてDSEIですが、開催前に台風が関東を直撃したために欠航したロンドン行きの便も多くて、参加できない人が多数出たようです。去年はぼくも台風が香港直撃で南アのAADに行けませんでしたが、この時期は余裕をもって計画を立てないといけないようです。

ツイッターなどを見ているのほほんと、英国滞在をしているように見えますが(笑)、実は結構忙しい。DSEI会期中も夕食は会食があったり、色々とややっこしいミーティングがあったりで会期中にあまり記事を書けませんでした。

もう少し、こちらに滞在するのですが、それはすぐに帰国する便だとシルバーウィークにもろにあたって、バカ高いので帰国をずらした次第です。その間のホテル代を考えてもその方が安いのでこちらで原稿書いたり、本屋、ショップなどの視察、仕事上の友人知人にあったりで結構忙しいわけです。

DSEIではBAEシステムズの新しいアーチャーが登場していました。
これは「我軍」の新型自走榴弾砲と同じ車体を使っているだけに比較をしてしまいました。
一番大きな違いは自動装填装置を搭載するか否かです。それは運用上要求よるし、両方とも一長一短があります。

ですが、19式自走榴弾砲は5人乗りも関わらずキャブはオリジナルを流用するために3名乗りで、あとの2名はホロで覆って、クッションもろくにない中央部の掘っ建ての席に座らせられます。疲労が大きいのも問題ですが、NBC環境下では生き残れません。

今回のDSEIでも多くのこの主の簡易型自走榴弾砲が展示されていましたが、クルーは全員装甲化したキャブに収容するタイプでした。

装甲化していないと、敵の榴弾砲などの反撃を受けたときの生存性が低くなります。またNBC対策をしていないならば、そのような環境では使用できない。仮にキャブだけNBC化するなら真ん中の席の2名は見殺しになるでしょう。

またキャブにクーラーがついているかわかりませんが、ついているならば後ろの席の二人の士気と体力は大きく下がるでしょう。

更に申せば弾薬補給車が開発されていない。このため弾薬の補給はかなり時間がかかるでしょう。

各種のUAVや、対UAV機材、その他の新型の装備を見るにつけ「我軍」の後進性、当事者意識の低さが嘆かれました。

またSIGが米陸軍向けの6.8mm弾を使用する火器の採用を受注したことをと発表しましたが、「我軍」の小銃選定はどうするのでしょうか。
調達が始まったら同盟軍は完全に別な規格の弾薬を採用していた、ということにならないといいのですが。

水陸機動団あたりでは使えない89式の更新を希望する声が多いと聞いておりますが、であれば同部隊やら他の精鋭部隊だけの更新することを
考えてもいいかもしれません。英軍でも落下傘部隊や海兵隊ではそのような選択をしています。

水陸機動団も予算規模も部隊のあり方も違う米海兵隊のデッドコピーを目指すのではなく、少ない人員と予算で多様な任務をこなしている英海兵隊をもっと研究し、交流を保つ必要があるのではないでしょうか。

■本日の市ヶ谷の噂■
共通8輪装甲車は機動連隊用でIFV,偵察車型は30ミリチェインガンが予定されており、砲塔は日本製鋼所ではなく、三菱重工が担当との噂。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2019年9月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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