“あいトレ”と軽減税率から考える現代アートとジャーナリズム --- 伊藤 将人 

2019年09月30日 06:00

昨今話題となっているあいちトリエンナーレ(あいトレ)の展示と軽減税率の新聞への適用にから「現代アート」と「ジャーナリズム」について考えたい。

NHKニュースより:編集部

まず整理しなければならないのは、「現代アート」と「ジャーナリズム」には根本的には「(体制への)アンチテーゼ」という意味を含んでいる。しかし、体制をどのように定義するかによって、大きく2つの定義が存在する。

1つは古典的な定義での「現代アート」と「ジャーナリズム」。これは「(政治、社会体制への)アンチテーゼ」を内包している定義である。この定義に則ると批評性や「(政治、社会体制への)アンチテーゼ」が伴っていないと「現代アート」と「ジャーナリズム」とは言わない。そして必然的にこの定義では中立性は伴わない。

もう1つの定義は上記の定義へのアンチテーゼとして定義される「現代アート」と「ジャーナリズム」である。上記の定義に染まった業界の体制に対してアンチテーゼを投げかける形になり、中立性を志向場合が多い。

今回のあいトレの展示と軽減税率の新聞への適用に話を戻したい。活動する側と支援する側2つのサイドからその合理性について考える。活動する側から考えると、1の定義を志向するのであれば、行政などの助成や特別扱いを受けることを期待するのはおかしいだろう。典型的には政党助成金を受けない日本共産党のような形が基礎になる。

また、支援する側から見ると、行政など体制側が1の定義を志向する団体を積極的に支援する理由は見つけにくい(ただ、中長期的な視点やガス抜きの視点など高度に政治的な判断で支援することはありえなくはないだろう)。

本件において、上記の2つの定義があることを認識し、活動がどの定義を志向しているのかを見極め、その上で議論を進めることが重要になるだろう。

伊藤 将人 フリーライター
大手新聞社入社後、人材系シンクタンクに転職。また、フリーライターとして各種執筆活動に従事。

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