ラスト1マイルではない、宅配の急所

2019年09月30日 14:00

ラスト1マイルという言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?宅配業者がA地点からB地点にものを運ぶのに一番手間がかかるのは最後の1マイル(1.6キロ)だというわけです。最近はあらゆるものを運ぶことがサービスの付加価値と考えらえる時代になりました。レストランの食事も「運ぶ」時代ですが、これだけ進化した現代社会ですが、いまだに人間が汗をかきかき顧客に物品を運ばざるを得ません。

(写真AC:編集部)

(写真AC:編集部)

宅配業者は様々な工夫をしているため今は1マイルの問題というより、顧客と商品の接点だけの問題、つまり接続の問題になっていると考えています。では何か良い方法がないものでしょうか?

物流の進化は目覚ましく、国内も国際宅配便も非常にスムーズになっています。それは移動の「幹」の部分が太く、かつ高速になっているからであります。そこから枝葉に分かれるのですが、枝葉も以前に比べて多様化しています。

例えばJR北海道などは一部で通常の旅客車両に宅配荷物を積んで駅間の移動をしているところもあります。バスやタクシーも宅配兼業で普通で使われています。国際宅急便も通常の旅客便に荷物を積んでいるのはご存知でしょう。つまり、今の時代、人間と宅配便の混載は当たり前になってきたともいえるのです。

多くの宅配荷物は地域ごとにある集配センターにまとまった形で配送され、そこから自転車やバイク、軽自動車などで各住戸に回ります。ところが問題はせっかく持っていったのに「いない」という事態が発生することでしょうか?そのために複数回配達に行ったり、ステッカーが貼られていて集配所に取りに来てくれ、といったことになります。取りに行くなら宅配の価値は下がってしまいます。

日本やアメリカなどではドローンによる代替手段について実証実験をしています。ただ、私から見てこれはややポイントずれしている部分があると思うのです。それはドローンがどこかに物を運ぶという点においては人間が運ぶのと何ら変わりはなく、スピードと労働力が多少減るというだけでしかないのです。私が冒頭に指摘した「接続」については何ら解決するものではありません。

個人的にはスマホのアプリで対応できないかと考えています。物流の世界は今、完全にトラッキングできるようになっています。来るべき荷物がどこにあり、どの業者からどの業者に何時何分に渡されたという記録が全部わかるようになっています。それを利用し、最終集配所に来た時点で受取人宛にアプリかテキストで荷物を今から数分以内に配達できるが受け取り可能かを確認したらどうでしょうか?つまり無駄足をなくすというステップです。

次に仮にドローンが様々な技術的及び法的課題を乗り越えて普及するのであれば、集配所から各住戸の宅配地点への配達は1~2分しかかからないはずで顧客に玄関なりの受け取り場所に来てもらうようにすることで無人化はある程度進めることが可能かと思います。

マンションなどは自動販売機のような「ドローンボックス」(私が命名しました。)をマンション入り口に設置、そこにドローンが荷物を運び、一時格納し、受取人がスマホのアプリで受けたセキュリティ番号を押すと格納された中から自分の荷物が取り出せる仕組みがワークすると思います。(一種の自動販売機のような機械を想定しています。)

ウーバーイーツのようにレストランからのフードデリバリーは配達先の相手がいないことはまずないでしょう。つまり、配達の効率はほぼ100%のはずです。これを通常の宅配でも達成できれば労働効率はある程度改善できると思います。

ところでFEDEXのような国際宅急便は書類便でも北米と日本間で1万円ぐらいかかります。これは配達する場所によっては経由する業者が増えることが一つあるのと地方には宅配のインフラが十分ではないことがあります。日本国内は同一業者が集荷から配達まで一気通貫できますが、国際間や海外ではエリアも広く、そのコストは都市部であっても非常に高額になります。

個人的にはこれはおかしいと思うのです。たかが書類便でなぜ1万円なのか?何か逆転の方法があるのではないかとずっと考えています。書類を都市間の事務所だけに限り、かつドローンが集荷すればそのコストは数分の一から十分の一ぐらいに落とすことは可能になるはずです。

少なくとも日本は物量と大手業者のインフラを考えるとアプローチを変えた発想で現状を乗り越えられないかといつも思っています。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年9月30日の記事より転載させていただきました。

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