臨時国会、関電、世界国別幸福度ランキングなど

石破 茂

石破 茂です。
昨日、臨時国会が召集となり、来週から論戦が始まります。

私は引き続き予算委員と憲法審査会委員を務めますが、日米貿易協定、安全保障問題、日韓・日朝関係、社会保障改革、消費税率引き上げ、災害対応、人口急減等々、国民の前に明らかにしなければならない問題は山積しています。

前回も記したとおり、まず質問する側の野党の見識と力量が問われます。参院選を挟んだとはいえ、これほど長く国会が開かれなかったことは必ずしも好ましいことではありませんが、野党の側にもじっくりと質問内容を練って論戦に備える時間的猶予があったはずです。質疑間際になって慌てて質問内容を考えているようでは、まともな論戦になるはずがありません。

政治の劣化と国民の意識の低下、感覚の麻痺的現象は、大手メディアの視聴率第一・購読部数第一的な姿勢による面も大きいのですが、商業ジャーナリズムにそのようなことを言ってみても仕方がありません(とはいえ、最近は公共放送にもそのような傾向が見られます。特にテレビニュースの取り上げ方の優先順位や内容には首を傾げることが多く、むしろラジオの方がまともなように思われます)。

政治の劣化の責任を国民やメディアに転嫁することなく、我々としてその責任を果たさなくてはならないことを痛感しております。

関西電力幹部に対する元助役(故人)からの金品提供については、未だに全容がよくわかりません。関西電力幹部が受領した金品の中には小判や金の延べ棒もあった由、一体いつの時代の話なのでしょう。時代錯誤性とあいまって、極めて面妖な事案です。元助役のような陰の首領(ドン)的人物は、かつての地方政財界に多くみられたものですが、未だにこのような存在が残っていたことに驚くと同時に、関西電力の対応にも違和感を覚えます。

提供された資金の出どころは何だったのか、金品の受領(保管?)に存在する税法上・刑法上の問題は何か、電力料金を負担する消費者の利益を害してはいないか、原発政策に責任を持つ当局はこれを全く知らなかったのか、どのような経緯で今これが明るみに出たのか。闇は恐ろしく暗くて深いのでしょうが、積極的な解明が望まれます。

昨日収録した中海テレビ(米子市を拠点とするケーブルテレビ)の開局30周年記念番組で、片山善博・前鳥取県知事(元総務相、現早稲田大学大学院教授)と対談する機会を得たのですが、その際に、他都道府県からの移住者数は鳥取県が日本一であること、そしてその7割が30代以下の若年層であること、が話題となりました。

若年層が移住した理由の47.4%が就職、16.9%が結婚・子育てということですが、本県の地元就職情報の丁寧な発信と、人口当たりの小児科医数・全国第2位、産婦人科医数・第4位、児童1人当たり福祉費・第2位などの子育て環境の努力が奏功しているものと思います。

地方の状況には悲観論ばかりが喧伝されますが、地道な取り組みは必ず実を結ぶものです。

またこの対談では、米子市出身の経済学者・宇沢弘文氏と関連して、国連持続可能性開発ソリューションネットワークが発表した「世界国別幸福度ランキング2019」において、日本の順位が調査の対象となった156か国中58位に下がった(前年は54位)ことも話題となりました。

これは調査対象国の国民1000人に「最高の人生」を10点、「最低」を0点として申告してもらい、その要因を1人当たりGDP(日本は24位)、平均健康寿命(同2位)、政府機関など公的機関の腐敗度(同39位)、人生の選択自由度(同64位)、社会的寛容度(同92位)などで回帰分析したもので、客観的な数字とは言い難いのですが、上位にフィンランド、デンマーク、ノルウェーなどの北欧諸国が、下位に南スーダン、中央アフリカ、アフガニスタン、ルワンダなどの紛争多発国が並ぶところを見ると、故無しとはしないように思われました。

因みに50位から60位は、エクアドル、クウェート、タイ、ラトビア、韓国、エストニア、ジャマイカ、モーリシャス、日本、ホンジュラス、カザフスタンの順となっています。

週末は本日夕刻より札幌で講演や各種懇談会。

5日土曜日は徳島県内行政・議会関係者との意見交換会、福山守衆議院議員を励ます会で講演・懇談会(午後5時・徳島グランヴィリオホテル)。

6日日曜日は自民党徳島県連職域支部代表との朝食会(午前8時・同)、日曜びっくり市での街頭演説会(午前10時・徳島繊維団地)、中部大志会例会・懇親会(午後4時半・倉吉市内)という日程です。

今週の都心は季節外れの暑い日が続きました。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。


編集部より:この記事は、衆議院議員の石破茂氏(鳥取1区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2019年10月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は『石破茂オフィシャルブログ』をご覧ください。