日本シリーズ、ソフトバンク胴上げ直後の放送終了に批判殺到…取材からみえた課題と未来

2019年10月25日 06:00

日本シリーズ第4戦、巨人−ソフトバンクを放送していた日本テレビにツイッター上で批判が殺到している。

ソフトバンクが4勝0敗で日本一を決め、工藤監督やソフトバンク孫会長の胴上げ後工藤監督や日本シリーズのMVPに輝いたグラシアルのインタビュー直前に放送終了したからだ。

ツイッター上では《工藤監督のインタビュー位放送してくれよ》、《即中継を打ち切った日テレは二度と放送しないでくれ》、《巨人が日本一なら監督や選手インタビューも流したでしょうね》、《放映権全部NHKに渡せ、サブチャンネル使ってくれるはず》など厳しい声があがっている。

筆者は30年近い野球ファンだが、監督や選手インタビューの前に放送終了するのは初めてみた光景。

そこで、日本テレビやネットワーク局複数社に取材してみえてきた今回の日本シリーズ中継の課題と未来を考察する。

過去巨人が日本一の時は監督・選手インタビューを放送。もし今年巨人が日本一になっていたら?

視聴者から一番反感を買ったのは、巨人が日本一の場合、監督や選手のインタビューを放送していたのではという疑問。

巨人は2012年の原監督の時にリーグ優勝、クライマックスシリーズに勝利し日本シリーズへ進出し日本ハムを4勝2敗で下し日本一に輝いた。

その時の放送では、原監督の日本一インタビュー、MVPに輝いた内海投手のインタビューを全国ネットで放送。

さらに翌年、2013年巨人が原監督で優勝し2連覇を達成した際、日本テレビが放送していた。

やはり原監督の胴上げ、監督・コーチ・選手達がライトスタンドへ挨拶、原監督の優勝インタビューまできっちり放送していた。

巨人なら監督・選手インタビューやスタンドへの挨拶まで放送するのに、ソフトバンクが日本一だと胴上げシーンで終了するのかという視聴者からの批判はもっともだ。

日本テレビに「もし巨人が日本一になったら胴上げ以降も放送していたか」と問い合わせた。

すると、「わかりかねますが、巨人が優勝や日本一の時に放送していたのであれば、もしかすると放送していたかもしれません」と回答があった。

過去に胴上げ直後に放送終了した局はなし

実は2016年の日本シリーズでは広島と日本ハムが対戦し、日本ハムが日本一に輝いた瞬間を日本テレビ系が全国ネットで中継。栗山監督の胴上げ、監督・選手・コーチのレフトスタンドへの挨拶、栗山監督やMVPに輝いたレアードのインタビューまでを放送していた。

この試合は広島の本拠地マツダスタジアムから広島テレビ制作で全国へ中継された。

広島テレビからすれば日本一を本拠地で決められながら、日本ハムの歓喜を最後まで伝えきったというのは、日本テレビの対応と大違いだ。

その他、2017年はソフトバンクと横浜ベイスターズが日本シリーズを戦った。

結果は4勝2敗でソフトバンクが勝ち、日本一に輝いた試合をテレビ朝日が全国ネットで放送。工藤監督の胴上げ、横浜の監督・コーチ・選手がレフトスタンドへ挨拶に行く様子、工藤監督とラミレス監督が握手するシーン、工藤監督とMVPに輝いた内川のインタビューを伝えている。

それ以外の過去の日本シリーズを調べても、監督や選手のインタビュー前で放送終了した放送局は見当たらない。

こうみれば、今年の日本シリーズ中継でソフトバンクの監督やMVPインタビューを流さなかった日本テレビがいかに特殊な対応だったかがわかる。

ジャイアンツストリームやHuluでリアルタイム配信を地上波で告知しないワケ

今年の東京ドーム・巨人主催の日本シリーズは日本テレビ系全国放送以外にジャイアンツストリームやHuluでリアルタイム配信していた。

ところが、地上波では放送開始から終了まで一度も告知がなかった。

日本テレビに地上波で告知しなかった理由を聞くと、「ジャイアンツLIVEストリームやHuluのHPをご覧いただければわかると思い告知していない」と答えた。

日本シリーズの生中継を地上波とネットで同時配信中であれば、視聴率やスポンサーなどの意向で告知ができないのは仕方がない部分もあるのかもしれない。

私が日本テレビ系の社員にHuluで配信していた旨を伝えると、「え?日本シリーズをHuluでリアルタイム配信していたのですか?初めて知りました」と答える社員も複数いた。

最近、特にドラマで「続きはHuluで」、「本当の解決はHuluで」と日本テレビとHuluの連動が目立つ。

『ボイス110緊急指令室』、『あなたの番です』、『3年A組 – 今から皆さんは、人質です』、『今日から俺は!!』など数多くのドラマがHuluでオリジナルコンテンツを配信している。

別の日本テレビ系ネットワーク社員は「地上波テレビで視聴していただきたいという思いがあったのかもしれないですね、今後の課題として担当者に申し伝えます」と言っていた。

日本テレビは折角Huluとの連動やジャイアンツストリームというネット配信の強みがありながら、日本シリーズの中継では全くいかされなかった。

次回からは、日本シリーズという大舞台ならHuluやジャイアンツストリームの配信を地上波で告知するぐらいのことは最低限してほしい。

監督やMVP選手のインタビューまで地上波で放送する。できないならネット配信でも放送中であることをアナウンスしそちらで続けてほしい。

さらに、局の番組編成都合上の放送終了であれば無料で配信するぐらいの視聴者ファーストのサービスに期待する。

奥村 シンゴ フリーライター
大学卒業後、大手上場一部企業で営業や顧客対応などの業務を経験し、32歳から家族の介護で離職。在宅介護と並行してフリーライターとして活動し、テレビ、介護、メディアのテーマを中心に各種ネットメディアに寄稿。テレビ・ネット番組や企業のリサーチ、マーケティングなども担当している。

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