読書で1文字たりとも逃さないぞと意気込むのは間違い?

2019年11月02日 06:00

Photos by K.Bito

「あのとき、ああすればよかった」「なんであんなこと、やってしまったんだろう」など、過去の失敗に悩む人は少なくない。

誤解してはいけないのは、失敗して落ち込まない人はいないということ。失敗をはね返す人は、「心を切り替える技術」を持っているから、次に目を向けられる。

失敗を「はね返す人」と「引きずる人」の習慣』 (アスカビジネス) を紹介したい。著者は、並木秀陸さん。司法書士、社会保険労務士、行政書士など多くの国家資格を所持し社労士総合オフィスナミキを経営する人事労務の専門家でもある。

現在、さまざまな読書術が注目されている。読書の輪が広がることで「ビブリオバトル」や「読書会」などのイベントも各地で開催されている。世の中には、それだけ、「本をたくさん読みたい」と感じている人が多いということになるのだろう。しかし、読書術の多くは肩肘を張った難しいものが多い。

考えてみてもらいたい。音楽を聞くときすべての音を聞き逃さないと意気込む人などいない。ところが、読書は、1ページたりとも逃さないぞ、と意気込んでしまう人が多い。熟読しても1ヶ月後もたてば内容なんて覚えていない。だから熟読する必要性などほとんどない。必要な数行だけをメモしながら何冊も読んでいったほうが効率的だ。

筆者がルポを作成する時は、1冊を10分で読み、30分で記事を書いて、10分で記事の投稿作業をしている。総時間は1時間以内と決めている。時間を掛けることで読まれるわけではないからである。実は、並木さんの読み方も筆者に近いものである。

(並木さん)「長年資格試験の受験指導に携わっているため、参考書やテキストを読むことを受験生に勧めます。感じるのは、多くの人は最初から最後まで、しっかり一言句読み飛ばさずに読まないといけないというイメージにとらわれすぎているということです」

(同)「効率よく合格するには、自分が知らない知識や合格に必要な知識だけを読むという方法で、いかに参考書を読み飛ばしていくかが大事です。ビジネス書に限って言えば、既知の部分は、『知っているよ』ということで、読み飛ばしてしまってよいのです」

読書をすることに、「やらされ感」を感じることは不幸なことである。読むことのために、多額のお金を投資する人がいるが、本来はそのようなものではないはずだ。本書には、読書術以外にも「心を切り替える技術」「発想転換の方法」「失敗の活かし方」「持っておきたい習慣」について、並木さんの体験談を交えながら解説されている。

[本書の評価]★★★★(81点)
評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★  「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★   「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★    「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し  「レベル0!読むに値しない本」50点未満
2019年に紹介した書籍一覧

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※14冊目の著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を出版しました。

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尾藤 克之
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員

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