薬物で逮捕された有名人から田代まさしさんへのエール

2019年11月12日 11:30

衝撃を与えた、田代まさしさんの逮捕。
どれだけ叩かれまくることだろう…と、我々依存症界は戦々恐々としておりましたが、意外にも、この事件をきっかけに「それだけ薬物依存症の回復は困難」「刑務所には意味がない」といった、まさにこれまで私たちが訴え続けてきた、問題の本質が議論されるようになり、非常に有難く思っています。

田代まさし氏ツイッターより:編集部

やはり、マーシーさんが2014年以来、ダルクさんに入寮され、その後職員さんとなり地道に活動されてきたこと、さらには、NHKバリバラで「神回」とも言われた、薬物依存の啓発番組に出演されたこと、そしてYoutube「ブラック・マーシー」で、赤裸々にご自身の過去を語り、大人気になっていたことなどが、功を奏したと思い、改めてマーシーさんの実力や人気ぶりに想いを馳せております。

相変わらずテリー伊藤さんとか、元警視庁刑事の小川泰平や元マトリといった人たちが、病気という観点なく、ただ単に面白おかしく煽って、自分の飯のタネにしてますが、こういう人たちのコメントを掲載する媒体も媒体ですよね。
今度、色々分類してみたいと思っています。

さて、メディアでこういった喧々諤々の議論がなされていますが、依存症の回復には何が必要なのか?
理論や理屈、制度の問題点などはちょっと勘の良い人たちならお分かり頂けるとしても、回復へのメソッドというのはなかなか理解されません。

依存症は孤独の病とよばれ、孤立化がますます病気を進行させると言われています。
だから自助グループなどに繋がって、仲間と一緒に支え合い回復を続ける必要がある!
ということは、松本俊彦先生を筆頭に、私なども一生懸命啓発させて頂いてます。
でも、これってなかなか普通の人には実感がわかないし、伝わらないじゃないですか。

マーシーさんに今何が必要なのか?と問われたなら、間違いなくそれは仲間の愛であり支えです。
時々、報道の中には「マーシーさんを潰したいのか?」と思うようなものがありますが、多くの人は、「人にはやり直すチャンスが必要だし、そのチャンスを支えられる人でありたい」と思っていると思うんですね。
もちろん私たちもそうだし、逆に回復のチャンスを頂いた側でもあります。

そこで今回の件で、田代さんと同じく、芸能界で活躍し薬物問題で逮捕された経験のある有名人の方々と、マーシーさんへのメッセージをYoutubeで出そう!と思いたちました。

アゴラさんにも何度か書いていますが、この有名人というのが、我々依存症界では「花の2016年組」と呼ばれる方々なのですが、2016年って、本当に著名人が数多く逮捕されたんですよね。
元NHKうたのお兄さんの杉田 あきひろさん、俳優の高知 東生さん、元NHKアナウンサーの塚本 堅一さん、他にも清原和博さんもそうですし、高樹沙耶さんもそうですね。

で、今回この2016年組のうち、杉田さん、高知さん、塚本さんと私でメッセージを出すことにしました。
これはなかなかに勇気のいる決断でした。
一度、叩かれまくった人は、表にでることに慎重になりますし、私だってまた叩かれるような目にあわせたくない。
どういう反応が起きるのか分からない…恐いですよね。

けれども我々というのは、自助グループに繋がり回復し続けており、回復の過程が田代さんと同じです。
なのでメソッドが共有できます。
そして何よりも、田代さんの再起を嬉しく思い、また励まされてきた一人として、
今、できることは何か?と考えた時に、恐れずにできることをやってみよう!と思いたちました。

自助グループの根底にある、仲間たちの愛や、再発の意味、そしてどんなに失敗を繰り返したとしても、ご自身に「やり直したい!」という思いがあれば、決して排除されることがないコミュニティがあること。
残念がったり、がっかりしたり、反省を求めたりせずに、病気として普通に受けとめること。

私たちのありのままの言葉からそんな雰囲気が伝わったら嬉しいです。
一切編集なしで、それぞれの想いを語り、そのままUPしました。

賛否両論あるかと思いますが、ご覧いただけたら嬉しいです。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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