まさか、野党の追及をかわすために解散を考えてはいないか?

安倍総理の心中が穏やかならざることは、それとなく伝わってくる。

天皇即位に伴う一連の儀式は滞りなく行われたようだが、それ以外の面では安倍総理の周辺には決していいことが起きていない。

桜を見る会の中止を発表する安倍首相(官邸サイトより)

満を持して行ったはずの内閣改造がズタズタと言うほどではないが、あちらこちらに綻びが見えて、何のための内閣改造だったか分からなくなっている。

国の内外だけでなく、あちらこちらにトラブルの種を抱えているようだから、頭痛の種は尽きないのだろう。

大学入試のための英語民間試験の導入延期決定も唐突だったが、来年の桜を見る会の開催中止決定も突然だった。
安倍総理や安倍事務所に直接火の粉が掛かってきたから、これはとても堪らない、ということで、窮余の一策でとりあえず来年の桜を見る会は中止することにされたのだろう。

菅官房長官の献策だったのかしらと思っていたが、中止の決断そのものは安倍総理が自らされたようである。

今年の桜を見る会に出席された方々が一斉にご自分のブログ記事を削除している、という話があるから、記事を残しておくことに相当のリスクがある、という認識が急速に広がっていたのだろう。

皆さん、一目散に逃げ出しているように映る。
出席者の名簿をはじめ、一般の方々に知られてしまっては困るようなことがあったのだろう。

私は、隠せば隠すほど厳しく追及される、逃げれば追われる、ということをある程度知っているので、こういう場合は、基本的に逃げるな、隠すなとアドバイスするのが通常なのだが、今私たちが見ているのはどうやらその反対の対応のようである。

まあ、野党の皆さんの今後の対応次第なのだが、安倍総理のストレスは当分募る一方のはずだ。

選挙には強いがストレスには弱そうなのが安倍総理だとすると、これから先何が起きるか分からない。
選挙上手な安倍総理は、これまで何度も衆議院の解散で急場を凌いできたと言われている。

解散風が吹き始めて大体10日で衆議院が解散になっている、というデータがあるようである。

今日現在は解散風が吹いていないことは確かだが、これから何が起きるか分からない。

まあ、常在戦場という言葉があるくらいだから、関係者の皆さんは、それなりに備えておられると思うが…。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年11月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。