今週のつぶやき:土壇場のGSOMIA破棄延期

2019年11月23日 14:00

沢尻エリカが合成麻薬で捕まった報道の余波はあまりにも大きいものでしたが、一方で「またか」という一般社会の冷たい目線も多かったのではないでしょうか?芸能人が次々捕まる中、テレビではコメンテーターが「芸能人がこれだけ捕まるなら一般社会では麻薬はもっと浸透している」と述べていましたがこれは統計の推論が当てはまらないと思います。カナダでは大麻が合法化していますが、それが一般社会に普及したかといえばそんな気配はあまり感じられません。芸能人は我々とは生きている世界が違いすぎるので我々の尺度でモノは語れない気がします。

では今週のつぶやきです。

政治と景気と株価

The White House/flickr:編集部

政治と景気と株価は切っても切れない関係にあるのですが、最近は政治色の影響度合いが大きくなった気がします。「眠れぬホワイトハウスの主」は今も睡眠不足で香港人権法案に署名するか悩んでいます。私が署名をしない気がすると申し上げたその読みとは「どうせ俺が拒否権で署名しなくても法案は通る。ならば俺は習氏と通商外交ディールを纏めるために『俺は同意しなかったんだが』という理由づけで二枚舌外交ができる」と考えている可能性を見てとっています。もちろん、可能性だけですが。

ところで盟友、イスラエルのネタニヤフ首相が汚職の疑いで起訴されたと報じられています。イスラエルは与野党が拮抗しているうえ政党が非常に多く、連立与党の構成も複雑怪奇。その中でネタニヤフ氏の指導力とトランプ氏のウマが合っていたことを考えるとこれはトランプ氏をがっかりさせることになります。

トランプ氏を取り巻く環境には割と厳しい案件が増えている中、株価と経済だけはさらに高度を増し続けていかねば国民の信頼を一気に落とすという瀬戸際にあります。今週のアメリカの株価はその微妙な心理を反映して冴えない展開で終始しました。すでに11月下旬になり、来年春のスーパーチューズディが視野に入る今、株価は一直線では上昇しにくく、乱気流に飲まれることも覚悟が必要かもしれません。

GSOMIA

記者会見する韓国の金有根・国家安保室第1次長(KBS NEWSより)

本当に土壇場で破棄を延期しました。私が2-3割の確率でありうるとしたのは「韓国が詰む」こともあると考えていました。日本の高官が「ほとんどパーフェクトゲーム」(産経より)と述べているそうですが、これをゲームと称するのはちょっと品格がないでしょう。私は交渉の詰将棋だったと思います。行方はギリギリまで分からなかったはずです。

私は最近99人の間違いと1人の正解ということをよく考えています。クイズ番組で回答者のうち1人しか正解しないことは時折ありますが、大多数の意見=民主主義、だからその意見を尊重するというプロセスはすべてのケースに当てはめるべきではないだろう、と考えることがあります。英国のEU離脱問題も国民投票の案件ではなかったのです。国家の屋台骨を揺るがせる大事な判断は高度な専門性を持った人に任せるというスタンスが必要です。

韓国の場合、政治も裁判所も民意を前提に作られています。民意主導だと報道なども含め、どうしても左派的になります。そして一旦民意が勢いづくと政権の持つ本来の主導能力が発揮できなくなるものなのです。つまりせっかく高度な能力を持っていても宝の持ち腐れになるのです。今回のGSOMIAの交渉も韓国内閣と高官は将棋で言えば「王将」以外は全員「歩」でありました。韓国人が専門家に任せるという言葉の理解をしないといつまでも堂々巡りの話になりかねません。

もがくパナソニック

久々にパナソニックのニュースに接しました。津賀一宏社長のアナリスト向け説明会から浮かび上がった同社の暗中模索であります。2012年6月に社長に就任して7年越えの長期登板となっていますが、ここにきてパナソニック社の歴史に残る大社長として後進に道を譲るという美談になりにくいのかもしれません。

2012年の家電業界といえば大嵐の中、ソニー、シャープ、パナソニックの社長が交代した年として知る人ぞ知る社長の通信簿があります。シャープは落第でした。ソニーは平井氏の手腕に「海外かぶれでダメじゃないの?」と厳しい批判が初めの1-2年ありましたが、卒業した時は「大社長!」の喝采でした。では津賀社長はなぜ、まだ社長をやっているのか、これが実はパナソニックの陥った罠のような気がします。

津賀社長は確かにV字回復を遂げた男として高い評価がありました。しかし、その評価故にテスラ向けのバッテリー事業の操作方法を他の誰も手を付けられなくなったように見えるのです。あの事業は本当に大変だったと思いますが、パナソニックがテスラと心中する覚悟も当初はあったはずなのに今ではテスラの中国進出でも「ついていかない」とされます。私は津賀社長が体裁を気にしているあまり、どこに向かっているのかわからなくなったように感じます。個人的にはそっと背中を押す時期にあるとみています。

後記

池袋のジュンク堂に行ってびっくりしました。平日の夕方なのにこんなに人がいないものか、と。池袋は書店が集まる街としても知られていますが、これじゃ経営が成り立たないのではと勝手に想像しています。学生街で知られる高田馬場には大型書店は1軒だけ。今の学生はやっぱり本を読まないのだろうなと改めて思います。山手線の駅である程度の大きさの書店がない駅は案外ふえているでしょう。来週、某書籍取次大手の方と飲みます。ぶっちゃけ話、探ってきます。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年11月23日の記事より転載させていただきました。

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