モウリーニョのトットナム監督就任で、レアル来期監督にポチェティーノか

2019年11月29日 06:00

今月20日、プレミアリーグのチーム「トットナム」はジョゼ・モウリーニョ(56)が新監督として就任したことを発表した。モウリーニョは今期レアル・マドリードのフロレンティノ・ぺレス会長からの電話を待っていた。他のチームからの誘いを棒に振ってもレアル・マドリードの監督に復帰することを望んでいた。

新監督に就任したモウリーニョ氏(トットナム・ホットスパーFacebookより:編集部)

シーズンが始まってからつい数日前までジネディーヌ・ジダン監督率いるレアル・マドリードの成績はファンを納得させるものではなかった。特にチャンピオンリーグでの2次予選への進出はほぼ手中に納めたが、優勝するまでの力はない。

現在のレアル・マドリードはリーグ優勝するよりもチャンピオン・リーグで優勝することをより重要視している。その意味ではジダン監督の采配はぺレス会長を納得させるものではない。しかし、そうかといって今のところジダンを解任するだけの十分なる理由はない。だから、ぺレス会長はモウリーニョに電話できないでいた。

このような事情の中で、モウリーニョはトットナムの監督に就任することを決めたのであった。

その前日に解雇されたアルゼンチン出身のマウリシオ・ポチェティーノ監督(47)はヨーロッパサッカー界ではそれほど目立つ監督ではない。が、2014年にトットナムの監督に就任して以来チームをプレミアリーグの6強に育て挙げた。昨シーズンはチャンピオン・リーグの決勝戦にまで進出させた。トットナムでの成績は293試合、160勝、73敗、60引き分けという優秀な業績を残した。(参照:ar.marca.comclarin.com

解任されたポチェティーノ氏(トットナム・ホットスパーFacebookより:編集部)

彼が初めて監督として指揮を執ったのはスペインチームでバルセロナに本拠地をもつ「エスパニョル」(2009-2012)であった。このチームを率いて国王杯を2度獲得している。その後、英国に渡りサザンプトンの監督を1シーズン務めた後トットナムの監督に就任したのであった。

今回の解任で彼は賠償金として1500万ユーロ(17億7000万円)を受け取るが、彼が指揮を執っている間はリバプールやシティーと肩を並べるチームに育て挙げたという功績から見て少ない金額である。(参照:elpais.com

しかも、前述2チームと比較して選手をスカウトする予算は3分の1しかないという事情を鑑みると、ポチェティーノの功績は偉大である。その予算が少ないことから彼はBチームから若い選手を育て挙げた。

しかし、育った若い選手は今度はチームに残留するよりももっと年俸の良いしかもタイトルを取れるチームへの移籍を望むようになる。そのようなことから、チーム内で新たな野望を選手に持たせることが容易ではなくなっていた。唯一、選手を鼓舞できるのは優秀な成績を挙げれば、タイトル獲得の可能性の高いチームから誘いがかるようになると言って選手にやる気を起こさせることであった。

そのようにして選手を鼓舞し続けることは容易ではなく壁に突き当たることがある。正にそれが監督として2014年に就任してからマンネリ化した今期がそれである。選手を補強したくてもその為の予算が少ないことから望む通りチームづくりはできない。今期の成績は14試合で勝ち点は僅か12点、順位は14位と低迷していた。

ユダヤ人のダニエル・レビー会長はポチェティーノの限界を見たようだ。そこで先ずドイツのライプツィヒ監督のユリアン・ナーゲルスマンを誘った。しかし、彼はまだドイツリーグでやることをあるといってオファーを拒否。そこでポチェティーノを解任する前にモウリーニョに接触したようだ。モウリーニョはこれ以上レアル・マドリードからの誘いを待っていてもそれがいつになるか分からないと見たようで、レビー会長からのオファーを受理したのである。その時点で、ポチェティーノの解任に踏み切ったのであった。

モウリーニョがトットナムの監督に就任したことでレアル・マドリードのぺレス会長に一つラッキーが転げ込んだことになる。次期監督にポチェティーノを就かせる道が開けたからである。というのは、ぺレス会長はジダンを選ぶ前にレボリューション・サッカーをチームに起こしたいとして昨年ポチェティーノを監督として就任させようとしていたからである。ポチェティーノがまだトットナムと契約期間中だということでこの実現は難しくなっていた。
(参照:metropoliabierta.com

しかもモウリーニョだと年俸はおよそ2600万ユーロ(30億円)を用意せねばならないが、ポチェティーノがトットナムで貰っていた年俸は昨年昇給して850万ポンド(12億円)ということでモウリーニョの半額以下で済む。イタリアのマッシリアーノ・アレッグリもぺレス会長には関心があるようであるが、モウリーニョと同様に年俸は高い。しかも、ポチェティーノが監督に就任すればレアル・マドリードで新しいサッカーを導入できるということで一石二鳥の可能性が開けたことになる。

白石 和幸
貿易コンサルタント、国際政治外交研究家

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