小選挙区制である限り、中曽根さん悲願の憲法改正はできない

中曽根元総理が亡くなられた。
享年101歳というのだから、人生100年時代が決して絵空事ではないことが分かる。

NHKニュースより編集部引用

三角大福中と言われた時代の最後の総理である。

青年将校と呼ばれていた時代を含めて、小泉純一郎元総理から事実上強制的に引退を迫られるまで実に56年間も衆議院議員を務めておられたのだから、巨魁中の巨魁だったことは間違いない。

中曽根さんは首相公選制の主唱者であり、日本の統治機構改革等についても一家言があり、塀の上を歩いているとか、風見鶏などと評されたこともあるが、政治家として何をやりたいか、ということを明確に意識して、一歩一歩道を歩んでこられた傑出した政治家である。

往時の中曽根さんを知る者の一人として、まずは中曽根さんのご冥福を心からお祈りしたい。

ご自分の思い通りの政治家人生を送って来られたと思うが、もし政治家としての悔いが残っておられたとしたら、やはりご自分の目の黒い内に憲法の改正を実現出来なかったことだろう。

今の政治家ではとても中曽根さんを凌駕するような業績を残せそうにない。

中曽根さんの前に出ると、皆さん、ずいぶん小さく見える。
与野党問わずである。

中曽根さんの悲願であったと思われる憲法の改正は、当分出来ないな。

安倍さん然り。岸田さん然り。石破さん然り。
勿論、枝野さんにも、玉木さんにも出来ない。

小選挙区制を採っている限り、まず憲法改正は出来ない、というのが現時点での私の正直な感想である。

骨太の政治を実現するためにはもっと強い政治家を輩出する必要があるが、小選挙区制では弱い政治家を再生産するだけに終わりそうである。

私は、中選挙区制選挙に戻すことを目標にする政党の出現に期待している。
野党の皆さんの活躍の場を広げるためにも、中選挙区制選挙にした方がいいはずである。

如何だろうか。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年11月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。