中チャンは一見さん大歓迎!でもこれからの飲食業は?

いよいよ12月が始まりました。
いやぁ、まいりますね。また1年経っちゃいました。

12月といえば忘年会シーズン、すでに私は横浜中華街の調理師たちが繁忙期を前におこなった調理師たちの忘年会を11月19日、今年最初の忘年会として終えてます。そして今日も明日もやはり忘年会です。

さて、「空いてる?」「空いてるよ」「じゃぁ、今日やる」というような、たまたま行われる忘年会を除けば、普通は事前予約をお店に入れますよね。その事前予約が大問題になっています。

予約をしているにも関わらず、当日姿を見せないドタキャンの事を「NO show」と呼ばれており、飲食業界の予約全体のうちの約1%、2000万円の損失になっています。この「NO show」とはキャンセルの連絡も無く、店側が連絡するものの通じない、とんでもない客のことを言いますが、経済産業省が出した「NO show対策レポート」というのがあり、これによれば、1日前、2日前のキャンセル客を含めれば、全体の6%、その損失額は1兆6000億円にもなるそうです。

飲食業にとってはもう店の規模、大小関係なく大問題です。なぜならば予約が入ったということは準備をしてるわけです。客数に応じて準備した食材や人件費が無駄になったり、仮に食材が余ってしまえば廃棄費用もかかるからです。また、その予約が入っていることによって、他のお客さんの来店を断っているケースもあるわけですよね。ということは、そこでも損失が発生している可能性があるわけです。何よりも、働いてる人の気持ちを傷つけます。「もう、本当にむなしいしやるせない、というか何なんだろう人間って」こう考えてしまいますね。

「NO show対策レポート」では、キャンセル料や損害賠償請求についても触れています。例えば、コース料理などの料理を注文した場合は、その100%を請求できるそうなんです。これは他のお客さんでその損害をカバーすることが難しいからです。座席のみの予約の場合は、平均客単価の5〜7割りを請求できるとしています。どうしても注文前ですから推計にならざるを得ません。この損害賠償請求については法的な効力はなく、あくまでも今のところ目安ということだそうです。

こうした無断キャンセルの理由ですが、実に軽い理由です。例えば「とりあえず場所を確保した」ということは他にも複数店舗に予約を入れて同じような被害に遭ってるお店があるかもしれませんね。それから「予約したけれども、天気が悪く行くのが億劫になった」、もうね、外に出るのやめなさい。それから「食べたいものが当日変わった」、好き嫌いするのやめましょう。

本当に、「ふざけんじゃないよ」っていう理由ですよね。

私はもっと厳しくやっていいと思うんですよ。例えばクレジットカードの番号を事前に聞いておく、団体客の場合は事前に入金をしてもらう、また予約電話に対して後日、確認の電話を入れて予約が成立するなどを当たり前にした方がいいと思います。

国もキャッシュレス化を進めていて、消費税のポイント還元のためには、交通系ICカードだって登録しなきゃいけないわけですよね。事前に聞いておくということが抑止力になると思うので、国も考えなきゃいけないと思いますよ。外国だったらホテルはチェックインのときだけじゃなく、レストラン予約でもクレジットカードを求められることがあります。

やっぱりこういうことにけじめをつけないと、そうじゃない真面目な人たちが馬鹿を見るわけですよね。そうした人たちの分まで、価格設定反映され高くなるわけです。損失がお店の収益を圧迫し、設備投資ができなくなってしまうこともある。

そういう意味ではお店が信用している常連さんに対しては必要ないかもしれませんが、やはり一見さんお断りという文化もこれ大事な文化なのかもしれませんね。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年12月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。