前略ALS患者様、命の選択は正しい情報を集めてからお願いします

ALSでも四季は感じられます!

私の部屋は北側で窓も小さいので、部屋の中からは外の天気すらわかりません。確かにずっとこの部屋で天井を見て過ごすなら、人生はつまらないと思い、気管切開をためらうかもしれません。でも、そんなことはなく、私は先月7回外出して、飛騨高山では紅葉を見て来ました!(冒頭の写真はイメージです)

最近、私の24時間365日『完全他人介護』体制の情報が広がり、全国から問い合わせを頂きます。その中で、「介護保険では限度額をオーバーするし、いわゆる2時間ルールがあるので、公費での24時間体制は不可能とケアマネさんに言われました。」というケースが何度も何度もありました。

『重度訪問介護』、昨今これだけ国会を騒がせている制度にもかかわらず、その制度の存在すら知らないケアマネさんが全国に多数いるということです。そして、その制度を積極的に教えてくれる役所もありません。

介護保険だけでALS患者が在宅生活を送ることは不可能です。もし実現出来てるとしたら、必ず家族の誰かが犠牲になっているはずです。重度訪問介護を使えば、役所が必要性を認めてかつヘルパーさんが確保出来れば24時間体制は可能です。

加えて言えば、重度訪問介護を使えば、ヘルパーさん二人体制での外出も可能です。私は重度訪問介護を使って、初詣・お花見・花火・紅葉と、四季折々を感じられる外出をしています。更に、外食や買物にも行っています。ウチのテレビは増税間際に、私自身が店員さんと口文字で交渉して、大幅値引きを勝ち取ったものです。

最近、検査の精度の向上によってか、ALSの確定診断を比較的初期症状の段階で受けられるようになったと耳にします。私が重度訪問介護を知ったのは、診断から約1年半後です。遅すぎますが、知ったおかげで今の体制があります。情報を得るのは早ければ早いほど良いです。

全国のALSと診断された患者さん、医療・福祉従事者一人の言う言葉を鵜呑みにするのは非常に危険なことです。先輩患者を含めて幅広く情報を集めた上で、今後の人生について考えて欲しいです。

最後にもう一点。現在私は、ALS協会岐阜県支部長を務めていますが、協会の会員名簿の連絡先には電話番号しか載っていません。それでは私自身が連絡しようがありません。SNS等コミュニケーションツールはありますが、少なくともメールアドレスは患者自身が情報交換する上で必須です。

という訳で岐阜県支部では『メールアドレス交換しましょう!キャンペーン(^ ^)』を実施します。支部長の私のメールアドレスは[email protected]です。これをお読みの岐阜県支部会員の皆様及びまだ会員になってない患者の皆様、私へのちょっと早めのクリスマスプレゼントと思って、どうかメールください。

待ってます(^ ^)

恩田聖敬


この記事は、株式会社まんまる笑店代表取締役社長、恩田聖敬氏(岐阜フットボールクラブ前社長)のブログ「片道切符社長のその後の目的地は? 」2019年12月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。