人はなぜ先延ばしをするの?力を発揮しやすい環境とは

2019年12月13日 06:00

Photos by K.Bito

誰にでも先延ばしをする癖があります。すぐにやらなければ面倒になることがわかっていても行動が遅れてしまうのです。

皆さんは一夜漬けの経験はありませんか? 夏休みの宿題などはその典型です。人間は切迫した状況に置かれると、想像できないような力を無意識に発揮することがあります。

今回は、15冊目の著書『「明日やろう」「後でやろう」がなくなる すぐやるスイッチ』(総合法令出版)から、すぐやるための仕事術をお伝えします。

人は先延ばしをするようにできている

夏休みの最後の1日ではなく最初の1日で片付けてしまえばいいと思いませんか。それはできないのです。限界状況に追い込まれた人間が、実力以上の力を発揮することは、昔から知られていますが、それはなぜでしょうか。精神科医の樺沢紫苑氏は『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す神・時間術』(大和書房)のなかで、次のように解説をしています。

「人間は、追い込まれたときに、最高のパフォーマンスを発揮できるように設計されているのです。命の危険という状況でなくとも、『今日中に、この仕事終わらさないとヤバい』という状況や、試験の直前の『ああ、緊張してきた』といった軽い緊張や不安の場面でも、ノルアドレナリンは出ます」

人がピンチに陥ったときには、ノルアドレナリンが分泌されます。正しい判断を瞬時に下せるように、脳が集中力を一気に高めていると考えられます。ノルアドレナリンが分泌されると危機回避や緊急事態対応が可能になるようです。

皆さんが仕事をしているオフィスが火事になったとします。ところが、大切な資料の作成中です。速やかに避難するか、資料を作成してから避難するか、どちらかの選択肢しかなかったとします。このときに、「資料を作成してから避難する」人はいないと思います。

資料を脇にかかえて階段を駆け下りていくことでしょう、ノルアドレナリンによって危機回避や緊急事態対応が可能になるわけです。

ムダな努力を続けることも危険

大学受験のときの話になります。勉強してもあまり成績が上がらない時期がありました。書店で「成績アップ本」を購入しても効果はなく、次に購入したのが赤本、つまり「学校別入試対策本」です。買ったときにはその学校に入りたいというモチベーションで高揚していますが、実際にレベルの高い勉強を始めるとなかなか難しい。そこでやる気をなくします。自分では決してサボっているわけではありません。

成績が上がらないと努力そのものがバカらしくなります。努力をしても何も変わらない。そうなると、他のものに関心が移ってきます。成績はドンドン下がっていきます。そして、数学が追試になり、落第寸前にまで追い詰められました。

ヤバイ!ようやく気が付いて、クラスの秀才君に話し掛けます。「いや~どうしたら点数が取れるようになるかな?」。向こうもびっくりしたようでしたが「帰りにウチ来る?」と言われて付いて行きました。そこでは意外なほど当たり前なことを教えてくれました。

教科書で重要な個所のみ覚えるように言われたのです。「ここは先生がいつも繰り返すところだからね」。彼の言うとおりに勉強して合格できました。基礎がなっていませんから猛勉強が必要でしたが、我ながら、すごい集中力だったと思います。

授業中、私は先生の話を聞いていませんでした。黒板の文字を必死にノートに写していたのです。これ以降、聞くことを心掛けました。その効果で成績もアップしてきました。人は、成果が出ないと努力をすることがバカらしくなります。誰もが陥るワナですが、それを知らないと、やり方を根本から変えることはできません。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※15冊目の著書『すぐやるスイッチ』(総合法令出版)を出版しました。

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尾藤 克之
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員

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