日本の主権が侵害されていることに、皆さん、鈍感になってませんか?

日本の主権の侵害に当たるということをもっと強く訴えた方がいいかな、などと思っていたのだが、アゴラの編集長が既に的確な指摘をされていることを知った。

編集部撮影

独自の観点から日本の刑事司法の問題点を鋭く指摘されていた郷原さんがここに来てまたまた日本の刑事裁判は国際的な批判に堪え得るか、などと如何にも日本の刑事裁判の在り方を批判し、日本の国際的評価を貶めかねない論稿を公表されていたので日本の世論が結果的にゴーン被告の海外逃亡を側面的にバックアップする方向に靡きかねないな、と心配していたところなので、アゴラの編集長の投稿は実に絶妙なタイミングでの投稿だったと高く評価している。

ゴーン被告がどうやって日本から脱出したのか不思議だったか、どうやら大掛かりなゴーン被告海外逃亡劇を画策した国際的組織が介在していたようである。国際的犯罪組織とまで言っていいのかはまだ分からないが、国際的逃がし屋集団、くらいなことは言っていいだろう。

数週間前から日本脱出を計画していた、という報道もあるが、保釈条件で制限住居とされているゴーン被告の自宅に楽団を招じ入れ、監視カメラを避けるために大型の楽器を収納する楽器箱に身を潜めて自宅から外に出て、地方空港からプライベートジェットで日本から脱出したというのだから、実際には数か月前からゴーン被告やその周辺の人間があれこれ国外脱出の計画を練っていた、と考えるのが普通である。

日本にこういうことが得意のプロ集団がいるのかいないのか分からないが、世界を見渡すと国境破りを何とも思わないような組織犯罪集団があちこちにいるようである。ゴーン被告の海外逃亡に手を貸したのは民兵組織ではないか、という噂もあるが、いずれにしても普通の人はそういうことはしない。

あれ、ゴーン被告はそういう組織とも関係があったのかしら、などと思うが、現実に国外逃亡しているのだから、ゴーン被告の関係者にはそういうことを厭わない人たちがいたということだろう。

ゴーン被告の海外逃亡で日本の裁判の進行がストップすることになる。
言ってみれば、ゴーン被告の海外逃亡は日本の裁判権の行使を妨げるものである。

保釈中の被告が逃亡しても逃亡罪には該当しない、などと得々と解説している人もおられるようだが、ゴーン被告の海外逃亡が日本の裁判権行使の妨害であり、ひいては日本の主権の侵害にも当たりかねない、ということに気が付いておられないのだろう。

事は重大である。

私は、日本の国を貶めてもおよそ痛痒を感じない方々とは一線を画しておきたい。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年1月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。