今週のつぶやき:ゴーンは必ず捕まる

このブログも今日から通常の内容に戻ります。年末年始は比較的ニュースが少ない時期のはずだったのですが、てんこ盛りでどこから手を付けたらよいのでしょうか?大きなニュースの陰に隠れているのがIR汚職です。秋元議員以外の5名の議員の名前が公表されていますが、岩屋前防衛大臣など大物がずらり。これは安倍首相にとっては相当痛手になりそうで国内外とも憂鬱なスタートとなりそうです。

では今週のつぶやきです。

市場は必ず乱高下する

1月2日のNY株式市場はダウが330ドルも上げるなど幸先良いスタートと思いきやその夜のイラン司令官殺害のニュースを受け、3日は大きく下げています。乱高下する理由は2つあり、一つは市場参加者が少ないこと、もう一つは市場に対する強弱感の対立であります。今年はカレンダーの並びから北米でも6日から始動の方も多いようで2日から通常スタートした私どもの雑居ビルでも人は閑散としてクリスマスツリーの片づけに追われていました。

日本市場は6日月曜日が大発会になりますが、厳しいスタートとなるかもしれません。特に為替市場も参加者が少ないこともあり、大きくブレているため、月曜間近にならないと東京市場の予想もしにくいものがあるかと思います。

経験則からすると乱高下が頻繁に起きるのは市場が悲鳴を上げている証拠で要注意のシグナルが点灯します。現時点ではまだ時期尚早なので何も申し上げませんが、昨年末、指摘したように専門家の2020年の株価予想が異様に楽観的だった点に対して世界で起きつつある数々の問題の行方がわかっていないのによくもそんな調子が良いことが言えるものだ、という私の主張の立ち位置は変わっていません。

ゴーンは必ず捕まる

年末のあまりにもばかばかしい事件にコメントする気も起きませんでした。もちろん、日本の裁判所が緩すぎること、弁護団がとろかったことは言うまでもありません。弘中弁護士チームはこの仕事を受ける際、「これほど難しい案件を扱えば彼の評価は上か下かにしかならない」と指摘されていたのですが、本戦突入以前のお話となってしまいました。クライアントが逃げて弁護士料も取りっぱぐれるのでしょうか?

日産サイトより:編集部

では逃げたゴーンですが、私は早晩、100%捕まるとみています。問題は彼がどこで裁かれるか、これは疑問です。ただ、どこかに収監されるはずです。理由は経済犯であることはフランス ルノーの立場も考えればほぼ自明の理である中で犯罪者が海外逃亡し、英雄視される社会はこの世の中に存在しないということであります。

日本は外交ルートを通じてゴーンを自由にさせないよう包囲網を狭めていかねばなりません。レバノンとの犯人引き渡し条約がなければ第三国を介してもよいでしょう。何も日本とレバノンがダイレクトラインがなくてもよいのです。「外交の安倍」が売り物ならここで力を発揮しなければ意味がありません。北朝鮮の拉致被害者が帰ってこないという中でゴーンも帰ってこないなんてあまりにも恥ずかしすぎます。おとそ気分もすっ飛びます。

イランは必ず報復する

トランプ大統領も思い切った指示を出したものです。イラクを舞台にしたアメリカとイランの衝突を受けてここぞというタイミングでイラン、ハメニイ師の直属の革命防衛隊のヒーローともいえるソレイマニ司令官らを殺害しました。これはハメニイ師にとって衝撃的な事件となったはずです。

イラン側の報復は100%あると思いますが、それがどういう形で出てくるのか、読めない点でアメリカを恐怖のどん底に陥れる可能性があります。かつての「戦争」という戦い方は宣戦布告という手続きと戦略の枠組みの中で予想がつくのですが、今回のようにソレイマニ司令官らの車列を襲うという手段があればその逆バージョンもあるわけでトランプ大統領とその側近も動きにくくなるでしょう。

トランプ大統領は大統領選挙を控え、本来好きではない「力による衝突」を選挙対策の一つとして選択した可能性はあります。が、私はこれは吉と出るか凶と出るかかなり際どい勝負だと思っています。もちろん、見方を変えれば北朝鮮の金正恩氏は縮み上がるかもしれませんが、イランと本格的な戦いとなれば支持政党を明白にしていない若者が選挙時に民主党に加勢する公算はあると思います。(ベトナム戦争の時がそうでした。)これは一番初めの項の「市場は必ず乱高下する」につながってくる点において要注意かと思います。

後記

「青学は必ず帰ってくる」と信じていたのは原監督だったと思います。駅伝直前のインタビューではびっくりするほどの強気発言をしていました。出雲、伊勢で十分な力を発揮できなかった割にはなにか秘策でもあるのかと私も勘繰ってしまったぐらいです。とにかく、おめでとうございます。アメリカのスーパーボールに並ぶほどの国民的スポーツイベントであるこの駅伝の良さは世界ではほとんど理解されていませんが、そのうち、世界大会なんてできたらいいですよね、原監督!

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年1月4日の記事より転載させていただきました。