2020年のトレンドを読む:中高年の流動化

城 繁幸

今週のメルマガ前半部の紹介です。
2020年一発目のメルマガです。というわけで本年から2020年代がどのような時代になるのかについて、雇用を切り口に予測してみたいと思います。

戦後の日本社会というのは、良くも悪くも終身雇用という形でセーフティネットを企業に丸投げしてきた側面があります。ということは、そのトレンドの変化は雇用のみならず社会全体に大きな影響を与えることを意味します。

写真AC

これは入口段階で“終身雇用”の柵の中に入れてもらえない人が続出した氷河期世代がその後にどうなったかを見ても明らかですね。

ちなみに筆者は2006年頃から「終身雇用だと入り口でコケたらなかなかリカバリーできず、40代以降に深刻な格差が生じるはず」と主張し続けてきましたが、それは不幸な形で平成の最後に実現してしまった感がありますね。

【参考リンク】氷河期世代支援、国家公務員採用など明記 政府行動計画

果たして2020年代、令和の新時代はどのような風景が待っているのでしょうか。

中高年の流動化

筆者の知る範囲でも、昨年後半より多くの大企業で早期退職の募集が水面下で検討されています。人口減社会が到来し長期的に国内マーケットの縮小は確実なのに、一方的に「社会保障の財源ないからとりあえず企業には70歳まで面倒みさせるようにするわ」なんて言われたらもう動くしかないですね。

業種は内需外需関係なしに幅広い業種で実施されるはず。とりわけ同じ業種の有名企業や業界大手が昨年中に早期退職や配置転換を実施している場合は株主等から強い圧がかかるため、後追いで追随するパターンが増えると思います。

とはいえ、2000年代初頭のリストラのような悲壮感はほとんど感じられません。理由は、現在は人手不足によりほぼ完全雇用状態に近く(贅沢さえ言わないなら)転職先が誰にでもあること、現在の企業業績そのものは上々なので手厚い割増退職金、再就職支援等が受けられるためです。

実際に募集企業の人事担当からは「10年前にも募集したがあの時とは全然違ってすぐに予定人数が集まった」という話も耳にします。「どうせ70歳まで働かされるんなら自分のやりたいことやろうぜ」という姿勢は筆者もとても合理的だと考えますね。

というわけで、これからしばらくは主に大企業の40代以降正社員の流動化が続くことでしょう。おそらくメディアでは、40代以降に第二の“就活”を経てバリバリ働く“社会人再デビュー中高年”と、割り切って今の会社で淡々と糊口をしのぐ“割り切り中高年”がそれぞれクローズアップされることでしょう。

→ メディアに取り上げられそうなトレンド 【再デビュー中高年】【割り切り中高年】

以降、
新卒作用の二極化
〇〇〇〇〇コースの普及
〇〇の〇〇〇の模索

※詳細はメルマガにて(夜間飛行)

Q:「50歳手前の官僚ですが今からの転職で注意すべきこととは?」
→A:「棚卸しをしつつ、腹をくくって最後のご奉公をすることです」

Q:「日本人の賃金をげるために何が必要でしょうか?」
→A:「解雇規制緩和や社会保険料引き下げでしょう」

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2020年1月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。