バロンズ:トランプ・ラリー、再選の可能性強まりで継続か

2020年01月13日 06:00

バロンズ誌、今週のカバーは半期に一度行う金融市場の重鎮10名によるラウンドテーブルを掲げる。常連のメンバーは、ゴールドマン・サックスのアビー・コーエン顧問兼シニア投資ストラテジスト、ガムコ・インベストメンツのマリオ・ガベリ会長兼CEO、デルファイ・マネジメントのスコット・ブラック社長、イーグル・キャピタル・パートナーズのゼネラル・パートナーであるメリル・ウィットマー氏の4名。

近年加わった参加者としてパルナッソス・インベストメンツのトッド・アールステン最高投資責任者(CIO)、アリエル・インベストメンツのルパル・バンサリCIO、T・ロウ・プライスでCIOを務めた経歴を持ち、新たに小型株や未上場株に注力したファンドを立ち上げるヘンリー・エレンボーゲン氏、エポック・インベストメント・パートナーズのウィリアム・プリーストCEO兼共同CIOの4名、新たにフランクリン・テンプルトン・フィクストインカムのポートフォリオ・マネージャー兼CIOのソナル・デサイ氏、ベイリー・ギフォードのパートナー兼ポートフォリオ・マネージャーのジェームズ・アンダーソン氏が加わった。

2019年は逆イールドの影響でリセッションが懸念されたが、ラウンドテーブルに集った専門家は今年の景気後退入りの確率をめぐり「ほぼゼロ」と結論づけた。また株式市場に対し、慎重ながらも楽観的な見通しを表明

もっとも、株式市場が割高であり、株高となる材料不足という点ても見解が一致した。Fedの金融政策は概して金利据え置きの見解で収束しつつ、米大統領選については明確な予想を避け一人は「Trump Unchained」とし、トランプ政権2期目は予想のつかない展開が待ち構えるリスクが高まると懸念を表明。

別の専門家は、勝率は低いとはいえバイデン氏が大統領候補に正式に指名され、予備選で敗北するであろうクローブシャー上院議員が副大統領になると予想した。詳細は、本誌をご覧下さい。

当サイトが定点観測する名物コラム、アップ・アンド・ダウン・ウォール・ストリート、今週はトランプ大統領の再選可能性と株高を掲げる、抄訳は、以下の通り。

カバー写真:The White House/Flickr

轟音を上げる、トランプ市場―The Trump Market Thunders On.

ウォール街は1月3日にイランのソレイマニ司令官殺害を上けて下落したが、米国とイランの間での全面対立は回避された。トランプ大統領を好もうが嫌おうが、同氏は株式市場に有効だ。同時に、株高により再選の可能性も高まりつつある。

民主党候補者が大統領選で勝利、上下院で過半数を獲得した場合、何が問題となるだろうか?ゴールドマン・サックスのデビッド・コスティン株式ストラジテストは、S&P500種株価指数の1株当たり営業利益が2019年の165ドルを起点として2020年に174ドル、2021年に前年比5%上昇の183ドルを見込む。しかし、民主党候補が完全勝利し法人税率が現状の21%から35%へもどった場合、2021年の営業利益は165ドルにとどまると予想。S&P500に当てはめれば、2,445に相当し足元から25%下落した水準となる。

ダウは10日に一時的ながら史上初めて29,000ドルを突破しつつ、週足では0.7%高で引け、S&P500は0.9%高、アップルなどFANGやマイクロソフトなどが好調で、ナスダックは1.8%高で取引を終えた。

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出所:Stockcharts

こうしたゴリアテ(旧約聖書に登場するペリシテ人の巨人でダビデによる投石器で殺害される、転じて巨人や大きな影響力を有する人やものの代名詞)は、2019年の出遅れ株として拾われているのだろう。アップル、アルファベット、フェイスブックは全て年初来で約6%高を遂げ、10日に最高値を更新した。一方で、アマゾンとマイクロソフトはそれぞれ約2%上昇にとどまるが、それでもS&P500の1.1%高を上回る。

トランプ氏の再選見通しの高まりは、アルファベットやフェイスブックの株価上昇を支援しているのかもしれない。これらの企業は、テクノロジー企業の中でも特に反トラスト法の規制強化のリスクに直面している。アルファベットの場合はさらに、ピチャイ新CEOが自社株買い引き上げや、ユーチューブその他主要部門での業績透明性を高めるといった投資家フレンドリーな手段を講じる期待も、株高につながったのだろう。

株式市場は、2019年と同じ轍を踏んでいない。成長株はバリュー株を上回り、大型株は小型株を上回るパフォーマンスをみせている。


今回のコラム執筆者はいつものランダル・フォーサイス氏ではなく、アンドリュー・ベイリー氏でした。だからというわけではないのでしょうが、説得力に欠けるコラムでしたね。いずれにしても、トランプ再選の可能性が高まれば、こちらで指摘したようなリスクが杞憂で終わるだけに、ウォール街としては万々歳といったところでしょう。ただし、万が一にも上院で民主党が多数派を獲得すれば、株式市場にとってハッピーな展開が続くか疑問の余地がありますが…。

(カバー写真:The White House/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年1月12日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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