王室離脱:王室にはなくて、皇室にはあるもの

2020年01月24日 16:00

イギリス王室からヘンリー王子とメーガン妃が離脱することが、日本でも大きく報道されました。
チャールズ皇太子と故ダイアナ妃の次男であるヘンリー王子は、イギリス王室を離脱し、生活の基盤をイギリスからカナダに移すと発表し、早速おととい21日にカナダのバンクーバー島に到着し、妻のメーガンさんと息子のアーチー君に合流して暮らし始めました。

メーガン妃はアメリカ人で元女優ですが、ヘンリー王子との結婚を機にイギリス王室に入りました。
私が子供の頃といえば、周りの女の子は「将来はお姫様になる」っていう人がいっぱいいました。けどねも、自分からお姫様を辞めちゃうって言うんですから驚きです。

イギリスの王室は自由に辞められるのか?といったらそうでもなかったようです。エリザベス女王はかなり怒っていると報じられてもいます。そんなエリザベス女王は今週、声明を出しました。

「私たち家族はヘンリーとメーガンが新しい人生を築いていこうとしていることを全面的に支持します。私たち家族は彼らが王室の正規の一員として残ってくれることを望んではいますが、家族として、より独立した生活を築いていきたいという彼らの望みを尊重し、理解しています」

今後、2人の扱いについては「家族ではあるけれども、王室メンバーではない」ということで公務はせず、公費の支出もないということを発表しました。

日本では会社で働いているときは社員ですが、会社辞めでも、会社に関係し、社員待遇を受ける社友と似た関係になるのでしょうか。そうは言っても、これから先の警備は滞在先のカナダが負担するのかどうかなども議論にもなっています。

この件について日本のメディアでコメンテーターが王室から抜けることを肯定して“開かれた王室”なんて言い方をしている人もいました。さすがに「日本も皇室から抜けることがあってもいいんじゃないか」と言ってるようなコメントを私は少なくとも見てません。けれども、「皇室ももっと自由になればいいじゃないか!」とか「王室を見習え!」みたいな話が出ているとすれば、それはよほど不見識で歴史を知らない人だと思います。

世界には主だった王室というのはタイ、マレーシア、イギリス、オランダ、デンマーク、スウェーデン、スペイン、モナコなどがあります。
これらの国はどうやって王決まったかと言うと、王位争いで勝ったり破れたりしながら王位が決まってきました。例えば国外に逃れた後、今度は攻めいって、王様になるなんてこともイギリスの王室でありました。これ王室内での争いではなく、王室外の勢力、すなわち外国からの勢力が戦いで王を倒し、かった方が王になるなんてことが繰り返されてきたわけです。王が処刑されて変わったこともあったわけで、要するに戦争で勝った方が王位を宣言するというような形です。スウェーデンだって、タイにだって、とにかくどの王室にも調べてみれば、そういった歴史の繰り返しで今があることがわかります。

もうお気づきですよね。
日本の皇室には戦争の勝者で天皇になった歴史がありません。かつて、皇室内での権力闘争でせめぎ合ったことはありました。けれども、外部の勢力で全く関係ない人が天皇になったことはありません。そもそも強力な武力を持った将軍が天皇を攻めたてたこともありません。ただ、天皇が味方についてるというふうに正当性を主張することはありました。このことを“錦の御旗”と言います。

ですから日本の皇室は継父を遡っていくことができますが、他の王室では父方も母方もむちゃくちゃで系譜を辿ることは困難です。

私は中田です。ですから、中田家を遡ることができます。皇室も家を遡っていけるわけで、良いこと、悪いことではなく、伝統や文化の問題ですから、他の王室と混同しないようにした方がいいですね。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年1月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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