経営破綻から10年、これまでに感謝して

2020年01月28日 16:00

先週は日本航空破綻から10年という報道がいくつかありました。
日本航空と子会社2社は、2010年1月19日に経営破綻しました。

現在、日本航空は売上高 1兆4872億円(2019年3月期連結業績)、従業員数(連結)34,003人(2019年3月現在)という会社ですが、この10年の間には、経営破綻、再生そして今があるということです。

日本の航空会社は現在最大手の全日空をはじめとして、これだけあります。

万全の安全を確保した上で、サービスや価格を競っているわけですから「日本航空がなくなったらよかった」とは全く思いません。まさに日本航空が経営破綻したとき救わなければいけない理由はそこにあったわけです。競争相手がなくなってはいけないということもあったし、当時は最大手だったわけですから、日本経済にも大きな影響がありました。

そもそもいろんな業界がありますけれども、業界最大手が経営危機なんて滅多に聞くことはありません。では、なぜJALは破綻したんでしょうか。

昭和28年10月1日、政府出資10億円をあわせた20億円の資本金で設立された国営企業的なスタートです。ちなみに昭和26年8月1日に(旧)日本航空株式会社が資本金1億円で創立されています。そして、昭和62年11月18日に日本航空は完全民営化されました。しかし、役人体質が抜けず、不採算路線を拡大し、それを恥じぬまま維持し続けてきましたので健全な経営ができていませんでした。

破綻前にはSARSやテロ、リーマンショックなどがあり、経済が停滞をしている中で、航空業界を取り巻く経営環境が悪化をしました。経済停滞と航空業界の経営環境の変化が破綻の理由と言われていましたが、これは全日空だって同じことです。しかし、全日空はそれでも黒字を出していました。JALだけが破綻をして、その後立ち直った美談のように聞こえますけれども、これ一言で言うと「国の丸抱え」です。

まず公的資金、すなわち税金を3500億円もJALに投入し経営再建しました。その後、返済はしたものの「なんで民間に国が税金を出すんだ」って話ですよね。さらに債権放棄が5215億ぐらいありました。要するにJALにお金を貸している銀行や納品している会社の借金を踏み倒したということです。

さらに、会社更生法の適用に伴う法人税の減免措置として2010~18年で、税制優遇措置で法人税の減免が4000億円以上もあります。破綻したときの負債総額が2兆3000億円ですから、皆さんいかに身軽になったかということですよね。

「そこまで救ってもらえれば誰だって立ち直るでしょう」って、私なんか思っちゃいます。当時から「おかしい」って私は言ってきました。全日空のように“正直者が馬鹿を見る”ようでは駄目だと思うんですね。

実際最近では、JALは新しい期待の購入や、革張りのシートなどを導入して、日本航空の利益は全日空の2倍弱あり、有利子負債は全日空の1/8(2019年3月期)しかありません。国内線の無料Wi-FiにしてもJALが最初に始めました。

要するに投資する余力があるわけで競争相手の全日空より有利になっています。だから我々も便利になったと喜んでるでばかりはいられません。我々国民もそういう過去を理解しておいた方がいいと思います。私は、同じ路線にANAとJALの両方があれば、ANAファーストで選んでいます。また、JALの社員の皆さんにも、こうしたことを理解をして世の中に恩返しするという考えで行動してもらいたいと思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年1月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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