千葉県議会アメリカ調査団④ SF Services Agency/Alt School

今日のアメリカ調査団の報告は米国における児童虐待防止対策とAltSchool(オルトスクール)について書きたいと思います。

今回の視察目的の大きなテーマの一つとして捉えている米国の児童虐待防止。

米国では児童虐待が少なくなく、カリフォルニア州での取り組みは大変参考になるはず、と日本の大学教授からも教えていただいていました。

我々が今回訪れたのはSan Francisco Human Services Agency というサンフランシスコ市及び群が運営する児童虐待防止に取り組む機関です。

千葉県では野田市の小学4年生が児童虐待により死亡するというなんとも痛ましい事件が発生したことから、県議会として条例を制定するなど積極的に児童虐待対策に力を入れています。

米国では児童虐待が多い中、ここ5年間で児童虐待件数が半減しています。
そもそもアメリカは家庭的養護が大前提の国です。

私もアメリカにいたときは普通に学校内にも里親のもとで暮らしたり、養子縁組をしている友達がいました。アメリカでは「Family」の中で育てることが一番というのが決まっています。

その経験からも私は、やはり家庭的養護を推進していきたいと思っており、自分の政策に里親制度を入れています。

アメリカと日本の大きな違いはやはり裁判所が決めるということ。

下記の図を見れば一目瞭然ですが「Court Dependency」という文字が並んでいます。それだけ裁判所が児童虐待に最初から介入して、大きな役割を担っているわけです。


こちらでは18か月以内に親戚や近いところ、里親なのか、家に戻すかを3の調停で決めます。里親の的確性もきちんと判断されます。里親も常に待っている状態です。


ホットラインも有効に活用されていて、医者などが診察時に児童虐待ではないか、と思ったら即座に連絡を入れるということが法律で決められています。

担当者と我々の間で質問も活発に行われ、日本と米国の文化の差を理解した上で、千葉県でも活かせる部分があるでしょうし、大変意義深いものでした。

そして、今回の視察で特に見てみたかったAltSchool(オルトスクール)へ。

我々が向かったのは次世代の教育を謳う学校「ガイドポストモンテッソーリフォートメゾン」。

※こちらが学校の校長先生

そもそもAltSchoolの創業者は元Google社員のMax Ventilla氏でして、シリコンバレーならではの『個』の能力を存分に伸ばす教育に徹底しています。

こちらの学校では4歳半から14才までの54名の児童生徒が在籍し、教師は11名。

評価するツールとしてこうした機材を利活用し、児童生徒が作成したものなどを保護者とも共有したりしているとのこと。

ちなみに学力テストで入学するのではなく、この学校に入ってハッピーになれるかどうかが問われます。

ただし、学費は相当な高額です…(土地柄含め生徒の経済階層は偏っていることは日本で事前に学習していました)

年齢混合のクラスやメンター制度もあり、自分のペースで学習することができ、個別の能力ベースの評価となります。
またひとつのテーマでディスカッションしたり、「個」の能力を大切にする教育です。先生と生徒が向き合う時間が十分に確保されています。

私はロスに住んでいたときは普通にPublic school(公立の小学校)に通っていたので、オルトスクールの教室のつくりは大変興味深かったです。

実際にこの学校で学んでいる生徒に話を聞く機会もあり、年齢は異なれどみんな尊敬しあっているということがよくわかりました。

不登校どころか皆さん、8時から学校が始まるにも関わらず07:45には学校の前に並んでいるのだそう!
伸び伸びしているのがとても印象的でした。

「個別化学習」「学習者(learners)中心の学習」をモットーに、子どもたちに、教師と話し合って個別の目標を定めさせ、その過程で多くのフィードバックを交わさせたりすることを目指す新しい教育が今後どのような発展を見せ、この学校で学んだ児童生徒がどのような形で世界で活躍していくのか、注目していきたいと思います。

報告は毎回3か所ずつ書いておりますが、今回は2か所にしました。特に私が関心が深かった視察先なので、より詳しく書かせていただきました。

次のブログで4か所書いて、私のブログでの視察報告を終わらせたいと思います。そして、今回の視察の所管等も含めきちんと自分の言葉でご報告をしたいと思います。


編集部より:このブログは千葉県議会議員、水野ゆうき氏のオフィシャルブログ 2020年1月27日の記事から転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「水野ゆうきオフィシャルブログ」をご覧ください。