マイクロソフト・グーグル・IBM訪問①

2020年01月30日 11:30

121日から26日の46日間で、米国西海岸の情報系企業を訪問してきた。内閣府の「AIホスピタル」プロジェクトの一環として、他のメンバー20名と一緒に人工知能開発の現状を視察するためだ。

この短期間にシアトルとサンフランシスコ・サンノゼを移動するのは非常に有意義だったが、体力的にはかなり厳しかった。シアトルからサンフランシスコをバス移動できると考えていた人もいたようだが、それはあまりだ。二つの都市は約1300キロ離れており、東京―博多間よりも距離が長く、時速100キロで走っても13時間もかかる。東京からメキシコに飛行機で移動できる時間だ。 

シアトルにあるマイクロソフト本社(Wikipediaより)

21日出発して、21日午前に到着後、すぐにマイクロソフトに行き、昼食を取る。とんかつが出てきたことには驚いた。とんかつはおいしかったが、日本の真夜中の時間帯の胃には重かった。そして、午後3時間+翌朝2時間、計5時間の会議に臨んだ。

クラウドシステム、人工知能開発などの情報を聞きたかったが、訪問の最大の目的は、バーチャルリアリティー技術だった。デモで見せてもらったのは、人体モデルに視線を向けると、目の位置によって、筋肉、ろっ骨などの骨格、そして、内臓が目の前にレイヤーとなって現れてくる。心臓大血管を超音波内視鏡を回転させて角度を変えて眺めると、違った角度で心臓や大血管が浮かんできた。

もちろん、人体モデルであらかじめ作成された立体像が見えてきただけだが、教育用には十分に使えると思った。人工知能技術が進めば、食道超音波内視鏡の画像が瞬時に立体画像化され、冠動脈の閉塞の様子が見て取れるかもしれない。インターネットフォームドコンセントにも具体的な画像で説明すれば理解が深まるはずだ。

マイクロソフト視察を終え、シアトル空港に向かい、飛行機でサンフランシスコ空港に飛んだ。約2時間のフライト時間だ。アメリカは広い。

空港に隣接するホテルで、周りにコンビニもない。夜中に目が覚めた時に備えて、寝酒のビールをホテル内で購入したが、11000円近かった。コストコに行けば150円で買えたことを思い出す。

また、米国のホテル代は5年ほど前よりもかなり高くなっている。内閣府の規定額内のホテルに宿泊するとリスクが高いので、自腹で安全を買うしか手はない。現に、サンフランシスコに到着した後に観たニュースでは、前日にシアトルで宿泊したホテルから2ブロックの所で銃乱射があったことを伝えていた。

現地では、タクシーもウーバーも使わず、公共交通で移動せよと言われた。安全という視点が全くない規定だ。シカゴでも、絶対乗らないようにと言われていた路線があった。悲しきかな、日本の規定はだ!

翌朝は、診療室での会話の自然言語処理をして、サマリーまで作成することのできるベンチャー企業の話を聞いた。まだ、英語にしか対応できないし、日本語での対応は数段階難しいので、簡単ではないだろうが、これも数年の話だと思う。

そして、午後はサーモフィシャー社を訪問し、遺伝子パネル検査が24時間以内にできる新型機器のデモを見せてもらった。まだ、販売前だが、がん研究会有明病院には試験機がすでに設置されている。この分野の進歩は私の20年前の想像をはるかに超えている。

次回はグーグルとIBM、さらに、ベンチャー2社の話を紹介したい。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2020年1月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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中村 祐輔
医学者、内閣府SIPディレクター

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