知ると知らぬじゃ大違い!啓発はとにかく「しつこく!」

2020年01月31日 11:30

実は私、依存症だけでなく「突発性難聴」に関しても広報に全力を注いでいるのですが、それはなぜかというと、私の非常に親しい仲間の一人がこの突発性難聴にかかり、片方の聴力がかなり奪われてしまったからなんですね。

FineGraphics/写真AC

で、後から聞いた話ではこの突発性難聴というのは、とにかく最初の1週間が勝負で、気がついたらできるだけ早く医者に行き、できれば入院してステロイド治療を受けるのがよいのだそうなんです。これが1週間を過ぎてしまうと、俄然治りが悪くなってしまうんだそうなんですね。

でもってこの仲間は「耳が聞こえにくいな~」と思っていたそうなんですけど、片耳だけだったのでなんとかなってしまい、そのまま1カ月放置してやっと医者に行ったんだそうなんです。でもその時はすでに遅くて、入院治療をしたけれど聴力は殆ど回復しなかったんだそうなんですね。

この話を聞いて、ものすごく驚いてしまったんですけど、皆さんこんなことご存知でしたか?
速さが勝負なんて、殆どの方がご存じないのではないでしょうか?
しかも突発性難聴は原因不明で年間35000人も治療を受けているっていうんですよ。

で、この話をこうしてたまたま聞いていていたら、なんとその直後に夫が突発性難聴になった!
しかも私に「なんか耳が変なんだよね…」と伝えてきたのが、聞こえなくなって2,3日経っていたんですね。

焦った私は「とにかくすぐに医者に行って!」ということで速攻で医者に行かせ即入院になったんですね。

本当は1週間入院した方がよいと言われたんですが、どうしても抜けられない仕事がありそれでも5日間の入院。あとは通院による加療だったんですけど、それでも殆ど90%以上の聴力が戻ったんですよね。「本当に助かった~!」と思ったし、仲間からの情報の有難さを痛感したんです。

そして先日、夫と真逆な目にあった方に出会ったんですね。
その方は、やはり耳が聞こえなくなったので、すぐに医者に行ったんだそうなんです。

そこで「良かったですね~、遅くなったら耳が聞こえなくなっていましたよ!」と言われていたのに、その医者に行くのをやめてしまったんだそうなんです。医者の話を聞いても「まっ!大丈夫だろう!」と楽観視してしまったと後悔されておられましたが、そのため今では殆どの聴力を奪われてしまい、補聴器をつけていても会話が困難な状態になってしまったとのことでした。この件を聞いてますます「突発性難聴」の啓発が不十分だと感じています。

啓発というのはとにかくいきわたるまで「しつこく」しなくてはならない!ということです。
突発性難聴の様な分かりやすい病気であっても否認してしまう人がいるわけですが、これが「依存症」となると、ほぼ全員が否認する、家族でさえも否認する病気です。世の中の人が「これが常識」と認識するまで、啓発は続けなくてはなりません。

「仕事はできているから依存症じゃない」「止める気はあるから依存症じゃない」「本気で止めようと思えば止められる」
当事者にはこんな否認がかかり、対する家族も
「今度こそ止めるはず」「私が肩代わりしてあげないとこの人はダメになる」「本当は優しい人」
などという否認がかかり、「病気」ということを拒絶してしまいます。

病気はさっさと認め、早期治療にこしたことはないのに「自分は大丈夫」という否認が命取りになっています。

先日、厚生労働省の主催する啓発イベントが福岡で行われ、塚本堅一氏(元NHKアナウンサー)の進行で、依存症啓発サポーターの古坂大魔王さんや、俳優の高知東生さんなどをゲストに迎えて、私も登壇させて頂いたのですが、ものすごい大盛況だったんですね。こういうイベントをもっともっと増やしたり、とにかくいきわたるまで啓発を色々な方法でやるべきだと思います。

よく依存症者に税金を使うな!とかって言いますけど、少なくともアルコール、ギャンブル、タバコの依存症者って高額納税者ですからね。納めた税金を既得権者が甘い汁を吸って還元しないことが問題なのであって、啓発にはもっと今の10倍くらい予算を増やして貰ったって、全くバチはあたらないですね。

それに啓発に予算を割いて、早期発見早期治療が実現できれば、それこそ社会コストは減るはずです。

「依存症は回復できる病気」「困ったら家族だけでもまず相談に行こう」「借金の肩代わりは絶対にダメ」
ギャンブル依存症関して言えば、この3つくらいの知識は全国民が知っているくらいまで啓発して欲しいと思います。

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田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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