次世代通信が覇権争いの根元にある

2020年02月05日 16:00

ここのところも新型コロナウイルスのことばかりやらざるを得なかったわけですが、こうしている間も世界は動いてますから、今日は違うこと書きます。

次世代通信規格「5Gネットワーク」に大手通信機器メーカーのファーウェイ(中国)製品の使用可否で、ヨーロッパが相次いで方向性をしましました。

まず、イギリス政府は28日に一部容認という方向性を打ち出しました。
核関連施設や軍事施設といった機密性の高い場所からは除外し、基地局などの周辺機器全体の35%までは容認することになりました。翌29日にはEUがネットワークの中核部分を念頭にリスクのある業者(=ファーウェイ)を排除できる規定を整備するよう勧告したが、強制力はなく、各国の判断に委ねました。ドイツでは事実上容認を表明しており、フランスではマクロン大統領が「排除しない」と発言しました。

仮にこのままの方向で進めば、アメリカとヨーロッパには溝がかなり広がりそうです。ただでさえ、北大西洋条約機構(NATO)に対するアメリカの関与がどんどん後退気味にある中での難問になりそうです。

中でもイギリスの決定は大きいですね。というのは英米関係というのは、安全保障問題や紛争・戦争などで一致した行動をとる緊密で特別な関係です。これまでの安全保障上の問題や紛争、戦争などではアメリカとイギリスは基本的に一致した行動をとってきました。だから、アメリカはイギリスに対してファーウェイ製品の完全排除に強力な圧力をかけていました。

皆さんファイブアイズって知ってますか?

安全保障なんかを考えている政治家はみんな知っていますが、政治家も知らない人が多い“ファイブアイズ”。直訳すれば“5つの目”ということになりますが、その五つというのはアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドそしてイギリスを指します。この5ヶ国というのは安全保障上の極めて重要な機密情報を共有するという5ヶ国で、5カ国の諜報機関が結んだ協定(UKUSA協定)からファイブアイズと呼ばれています。

その一角であるイギリスが今回崩れたということは、米英関係だけではなくて、カナダは方向性を完全に打ち出せていませんが、その決定にも影響を与えるでしょうね。ちなみにオーストラリアとニュージーランドそしてファイブアイズには入ってませんが我が日本は事実上の排除方針をすでに決めています。

なぜ5Gが重要なのかといえば、目前に控えた車が自動運転で走る時代、金融機関の窓口サービスがなくなる、人の体にメスを入れて外科的手術を遠隔地から出来るようになるなど、これみんな5Gがあるから、現実が大きくガラッと変わるわけです。観光も教育も福祉もそして戦争もとにかくあらゆる現実が5Gで大きく変わる、これ10年とまたないですよ。

そのインフラ整備を中国政府と繋がっているファーウェイでいいのか、それとも排除するのかというのがこの問題です。いわば経済も軍事を握る要の覇権争いに5Gがあるということなんです。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年2月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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