今週のつぶやき:返ってこない北方領土

歌手の槙原敬之容疑者が2度目の覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されました。覚せい剤=暴力団だったのは遠い昔で今は覚せい剤=芸能人の構図がより明白になってきています。それだけその世界では蔓延化したわけで当局もオリンピックを控え、血眼で総ざらいする気のようです。噂によるとまだまだ大物が控えているようでまるで紅白覚せい剤合戦の様相を呈してきました。日本人の心理で「芸能人なら普通やるよね」「お前、やってないの?」的な背景が水晶玉越しに見えてきそうです。

さて、今週のつぶやきです。

どうなる中国のGDP、日本のGDP

カナダの証券マンから新型肺炎の影響を問われたので「数字として表れてくるのはこれから。問題は中国の1-3月のGDP」とコメントしました。個人的にはマイナス成長は必至だと考えていますが、フェイク統計の同国で6%を簡単に下回る数字を作れるのか、ましてやマイナスなど表記できるのかが私にとって最大の着目ポイントであります。

どうせフェイクなのですから理由付けしやすいところ、つまり、3-4%台で収まるのだろうと思います。3月末が終わってなくてもそういう数字にする方針で行くと思います。そして4-6月期でV字回復を遂げるというシナリオであります。そうではないと習近平国家主席の退任が本気で取りざたされるでしょう。

日銀サイトより

一方、統計の数字に信憑性がある日本ですが、こちらもマイナスは確実とみています。どれぐらい落ち込むかは今回の問題がどう終息するか次第ですが、マイナス1-2%は覚悟しなくてはいけないとみています。

問題はその際に日銀がどういう対応をするかです。本来であらば今、悪化している経済環境に即効性あるカンフル剤を撃ち込まねばならないのに最近「KURODA」の名前をメディアでお見掛けすることはありません。お元気でいらっしゃるのでしょうか?

目も当てられない企業決算

今週は10-12月の企業決算発表花盛りでしたが、これは新型肺炎の影響はほとんど受けていません。読売新聞の経済面には楽天、いきなりステーキ、日産自動車が大きく赤字になったニュースが報じられています。日経の企業決算欄をみれば減収、減益の文字が並びます。私は北米での投資ですのでそちらのニュースを見る限り楽天的ですが、今、日本が置かれている経済環境、ビジネス環境は薄氷の上にあちらこちら穴があり、冷水の中に落ち込む企業だらけという感じに見えます。

写真AC

こんな日本に誰がした、という恨み節が聞こえてきてもらいたいところです。桜やヤジにIRといったネタの場外乱闘で国会の正常審議を邪魔する野党のおかげで指導部が疲弊してしまった点も私は声を大にして言いたいところです。しかし、新型肺炎の対応を見ていると現政府はよくやっているし、情報開示も進んでいます。これが民主党時代なら何が起きていたかわかりませんよ。こういう評価をせずに一方的な与党批判はどうかと思います。

日本企業についてはルールとコンプライアンスだらけで手足を縛られたといってよいでしょう。今も日本で某企業さんとの取引交渉をしていますが、すべては自社で決めたルールの枠組みが中心であり、こちらの事情や状況に合わせるフレキシビリティなんてゼロです。「なぜこうなの?」と聞けば「それがルールです」という禅問答をするような大手企業は私には興味ございません。

返ってこない北方領土

安倍首相とプーチン大統領はたしか28回会談していると思います。回数的には突出しているのですが、ほとんど成果がないのも事実です。そんな中、ロシアで憲法改正などを前提とした有識者グループがその作業を進める案のひとつ、「領土譲渡禁止」さらには「その交渉も禁ずる」という点についてプーチン大統領が「気に入った」とコメントしたことが報じられています。

北方領土問題については日本が戦略を間違えたことは否めません。私は何十年も前から4島返還は無理、2島返還で妥協すべきと考えていたし、時折そう申し上げてきました。歴史的側面からすればヤルタ密約でルーズベルトとスターリンの間で北方領土に対する両国の「握り」があったし、その後、吉田首相も2島返還といっていたのです。沖縄は返ってきたじゃないか、とおっしゃる方もいらっしゃいますが、あれはあまり知られていない別次元の政治力学ゆえの考慮すべき点があったことも事実です。

日本は全方向型外交を得手としていますが、ロシア/ソ連に対して温かい気持ちをもつ日本人がどれぐらいいるのでしょうか?個人的には戦後直後のシベリア抑留が生み出した人権蹂躙、日本の左巻き思想の強化に強い嫌悪感を持っています。あまりにも無謀なロシア/ソ連のやり方に文句ひとつ言わず、長年すり寄って「交渉しませんか?」というわけです。次の首相は毅然とした態度でそんなこと言うならシベリア開発や日本の対ロシアの投資は凍結ぐらいの姿勢で臨んでもらいたいものです。

後記

世はサブスクリプションブーム。多分ですが、これから爆発し、1-2年後には終焉していると思います。サブスクを見ていると1か月〇〇円払うと一定の制限の中で好きなだけ楽しめるという内容ですが飲食系あたりは内容が過激(=顧客にとってはうれしい話)になってきています。あり得ないほどのサービス満載は昔グルーポンが流行った時と同じで体力勝負、話題勝負以外の何物でもありません。ただ今日、明日だけ見れば「耳障りの良いマーケティング」になるのでしょう。私は飛びつかないですけどね。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年2月15日の記事より転載させていただきました。