本を手にしてまず最初に読むべき箇所とは

(筆者撮影)

読書をするとき、ただ漫然と読みはじめている人はいませんか。もちろん、楽しむときの読書はそれでもいいのですが、限られた時間で本を読まなくてはいけないとき、いくつかの方法を加味することで読書のスピードや吸収力が一気に加速します。

今回は新著『頭がいい人の読書術』(すばる舎)から、読書テクニックをお教えします。

本には目次があります。最初に全体像を把握するために、目次を読むことをおすすめします。もし、目次を読まないという人がいたら、それは大変リスキーです。目次は地図の役割があるからです。

はじめて日本に来た友人がいたとします。友人は東京、名古屋、大阪、福岡、鹿児島で観光をしたいといいます。地図がわかっていれば、東京↓名古屋↓大阪↓福岡↓鹿児島のルートでまわるはずです。ところが、地図がわからなければ、正しいルートを理解することはできないでしょう。

目次を読むことで、本の全体像と文章の関係性が理解できるようになります。この章は何について書かれていてどのような論理展開をしているのかわからなければ理解度に大きな差が生じてしまいます。

私は最初に章と小見出しの流れを観察します。とくに、第1章にはキラーコンテンツが置かれていることが多いので注視します。第1章に書かれていることが予想をはるかに上回る内容であれば、第2章も続けて読みます。

読書前の目次読みは、その本を読む前の準備体操として大切な作業なのです。目次読みは数秒から1 分くらいで終わりますが、あなたの読書を何倍も効率的にすることに気がつくはずです。目次読みは必要であると断言しておきます。

また、図にも注目したほうがいいでしょう。一般的な意味と異なる業界用語などが使われていることがあるからです。または、言葉の指す意味を誤解しないように注釈しているものが多いです。カッコ書きの補足も注目します。専門用語や言葉の意味、略語の正式名称などが対応されているからです。

一方で、脚注で説明している用語などは飛ばします。説明が長くなる場合、脚注で説明していることが多いですが、読まなくても全体の意味はつかめるからです。

あなたが、心を豊かにする1冊に出会えることをお祈りしています。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
16作品目となる『頭がいい人の読書術』(すばる舎)を出版しました。
※2/14現在、amazon・読書術、図書館情報学の2部門でベストセラー1位。