書評『ドラえもんを本気でつくる』

2020年02月24日 06:00

ドラえもん学者・大澤正彦さんとお話をしていると、いつも頭がクリアになる。

「ウニ型組織」で伸びる!全脳アーキテクチャ若手の会

小さなころから大好きなドラえもんを本気でつくる研究を続けている。大澤さんの新刊のタイトルもズバリ、『ドラえもんを本気でつくる。』。

ドラえもんとは何かの定義の考え方から面白い。

人それぞれが「これがドラえもん」という要件を無意識にもっていて、かつ、それらが矛盾するのも多くて、機能要件集合では不可能だ。だからこそ社会的承認による定義、すなわち「みんなが認めてくれたもの」という定義が必要だという。

社会的承認による定義では、機能要件自体が変化することもある。長期的にその人とロボットがかかわっていくなかで、「彼こそがドラえもんかもしれない」と思ってもらえたら、その瞬間から、そのロボットはその人にとってドラえもんになれる

機能要件を実現するには、

①その機能を実現する
②その機能を実現しているように見せる
③その機能を実現せずに許してもらう

というおもに3つのアプローチがあり、いずれかいちばん容易なものを実行すればいいという。

自分に寄り添ってくれるドラえもんが「ぼく、タイムマシンでやってきたんじゃなくて、あの工場でつくられたんだけど、それでもいい?」と言われれば、許してくれる人も多いのではないか、と予想する。

大澤さんの考えで徹底しているには、今のディープラーニングが苦手な、ロボットと人とのかかわり。

最初は敢えて期待値を低くして、人とのかかわりの中で成長(≒バージョンアップ)した方が、技術的ハードルが下がり、ロボットとしてより多くのデータを得ることができるだけでなく、人の満足度も高まるという。

AIやHAIの最先端の動向もよく整理されているだけでなく、大好きなドラえもんに置き換えて説明してくれるので、とても分かりやすい。また大澤さんと話したくなった。

<井上貴至 プロフィール>


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2020年2月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。

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