知っトク解説:今回は“パンデミック”

中国武漢市で発症した新型コロナウイルスは現在も拡大しています。
よく「パンデミックになったら大変」などと言われますが、“パンデミック”とはどういうことでしょうか。

“パンデミック”とは、世界的大流行を指し示す言葉で、その定義については、WHO(世界保健機関)の世界インフルエンザ事前対策計画で定めらています。

WHOが宣言する拡大フェーズは、以下の1から6まで定められています。

簡単に説明すると、フェーズ1は動物間の感染のみで、ヒトへの感染はない状態です。フェーズ2はヒトへの感染脅威がある状態、フェーズ3はヒトへの感染が確認されているが、ヒトからヒトへの感染は基本的にない状態、そしてフェーズ4は新型インフルエンザが発生したが、感染集団が小さく限られている状態、フェーズ5は感染の大きな集団が見られ、大流行発生のリスクが高まった状態、フェーズ6は大流行が発生し、一般社会で急速に感染が拡大している状態です。

この、フェーズ6がパンデミック(大流行)になります。

世界のあちこちで感染者が存在し、一般的な人の活動で人から人への感染が拡大し続けているという状態です。

過去のパンデミックでは14世紀のペストで、ヨーロッパの4分の1から3分の1の人口に当たる2500万人が死亡。そして、1918年のスペイン風では4000万人が死亡。さらに、1968年の香港風は世界で100万人以上が死亡しました。

世界銀行はスペイン風邪のようなパンデミックが現在起きたときの経済損失を試算しています。
その試算結果は世界のGDP(Nの5%にあたる、約4兆ドルが失われるという試算です。

パンデミックにしないために、WHOや政府の対応、会社の方針などもありますが、治療薬がない新型だからこそ拡大しているわけで、政府の責任にしても感染して苦しむのは自分です。そして自分が感染源となって拡大させてしまう可能性もあります。

そのためにも感染しないように、手洗いをしっかりすること、そして、目や鼻、口などを触らないということの決定が大事です。

 


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年2月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。