総理を「牢獄」に送れという政治学者、賛同する共産党前参院議員

今の時代にここまで過激な言説を堂々と展開する人物が存在することに驚いた。

レーニンを研究する白井聡氏の言動である。彼の著作『未完のレーニン』、『物質の蜂起』を読むと、いかに白井氏がレーニンに私淑しているのか理解できる。あの全体主義国家ソ連の創始者を礼賛する人物が令和の御代に存在することに驚くが、彼は本気のようである。

その白井氏が、まるでレーニンの『何をなすべきか』の現代版のような書物を書いたのが『永続敗戦論』である。本書がベストセラーになったことは、ある意味で日本の危機といってよいだろう。それくらい過激な本である。

その白井氏が先日、『日刊ゲンダイ』に掲載した文章に加筆したという記事がYahooの記事として掲載されたていた。

この中で、白井氏は驚くべき過激なアジテーションを行っていた。タイトルは「さらば安倍晋三:75年前の失敗のツケを我々の手で清算しなければ」。注意すべきは「清算」の文字だ。韓国の文在寅大統領も「積弊清算」などと主張しているが、「粛清」を想起させる相当に過激な意味が込められた言葉だといってよい。

その中で白井氏は次のように指摘している。

国民の課題ははっきりしている。安倍を退陣させるだけでは不十分であり、しかるべき場所(牢獄)へと送り込まなければならない。そしてこの間この腐りきった権力を支えてきた政官法財学メディアの面々をリストアップし、処断せねばならない。75年前の失敗の根源は、国を破滅させた者どもを日本人が自らの手で罰しなかったことにある。その中に、あの「僕のおじいちゃん」(岸信介)もいた。そのツケをいまわれわれの手で清算しなければならないのである。

恐るべき革命家のアジテーションというべきではないだろうか?

白井氏は安倍総理を「牢獄」へ送り込まねばならぬというが、一体、どのような罪によるのだろうか? 国家を「私物化」しているというのが白井氏の論拠のようだが、法的な根拠は示されていない。これは自分たち(=革命勢力)が「敵」だと断定した人物は「牢獄」に送り込まれるべきだという、正義の独占を意味している。

さらにすさまじいのが、「この腐りきった権力を支えてきた政官法財学メディアの面々をリストアップし、処断せねばならない」との文言だ。革命勢力が「敵」だと認定する人物を「リストアップ」し、「処断」すべきだと獅子吼する白井氏にはレーニンやスターリンの亡霊が乗り移ったかのようである。こうした人物がここまで過激な言動を為しても自由な日本とは、どれほど言論の自由が守られた国なのだろうかと思わずにはいられなかった。

さらに恐ろしいのは、日本共産党の前参議院議員であるたつみコータロー氏が自らのツイッターで「安倍を退陣させるだけでは不十分であり、しかるべき場所(牢獄)へと送り込まなければならない。そしてこの間この腐りきった権力を支えてきた政官法財学メディアの面々をリストアップし、処断せねばならない」との文言を引用しながら、白井氏の過激なアジテーションをリツイートしていたという事実である。

日本共産党は平和の政党などと主張するが、50年代に武装革命路線に舵を切ったこともり、未だに「敵の出方論」を捨てていない。たつみ氏のリツイートからは、自分たちが敵対するものは「牢獄」に送り込んだり、「処断」しても構わないという危険な共産主義者の情念を垣間見る思いがする。

なお、白井聡氏については拙著『「リベラル」という病』で、批判的に考察したことがあるので、詳細については拙著をご覧いただきたい。

この件については動画でも詳述しているので、併せて動画もご覧いただければ幸いです。