ウォッカで新型肺炎やっつけよう!

2020年03月05日 11:30

欧州でも新型コロナウイルスの感染者が出てきて以来、メディアは連日、新型肺炎の状況を報じてきた。その影響もあってか、マスクや消毒液が飛ぶように売れだし、どこのスーパーや薬局でも売り切れが出てきた。

世界最大の販売量を誇るスミルノフ 赤ラベルのウォッカ(ウィキぺディアから)

当方は先週末、少々遅かったが、マスクと消毒液ぐらいは買っておこうと考えて出かけた。マスクはどこでも完売で、いつまた入荷するか分からない、という返事ばかりだった。トイレットペーパーも先週末、最寄りのスーパーでは売れ切れだったが、別の店ではまだあったので安心したが、新型コロナウイルス対策で大切な消毒液はどの店にもなかった。

当方は現実の深刻さが理解できたので、今週初め月曜日午前、近所の薬局にもう一度出かけた。マスクと消毒液を購入するためだ。消毒液は売れ切れて、目下、在庫もないという。状況は先週と同じだった。マスクは辛うじて一個、買うことが出来た。

消毒液は仕方がないのであきらめて出ていこうとした時、薬局の店員は哀れに思ったのか、「数日中には入ってくるから、予約しておきますか」といってくれた。自宅の電話番号を渡した後、薬局を出たが、通り道のドラッグストア(DM)に念のため寄ってみた。消毒関係の商品棚(売り切れて空になっている)に一枚の紙が貼ってある。曰く「自宅でも消毒剤を作れます」というのだ。作り方は簡単だ。「ウォッカなどアルコール度の高い酒類に水を入れて、それを暫く煮込むと出来上がり」と書いてある。薬局で最初にそのことを言ってくれていたら、事は簡単なのに……。

その瞬間だ。「ロシアでなぜ新型コロナウイルスが広がらないのか」という謎が解けたように感じたのだ。中国湖北省武漢市から発生した新型コロナウイルスは今日、フランス、ドイツ、オーストリアなど欧州全土に拡大、イタリアでは2日の段階で、2000人以上の感染者が出、52人が亡くなっている。その一方、ロシアからは新型コロナウィルスの感染者について報道が全くないので不思議に感じていたからだ。「あの大きな国で新型コロナウイルスの感染者がいないということは考えられない」。

ロシアと同様、北朝鮮も公式には新型肺炎感染者はいない、ということになっているが、北の場合、情報管理で隠蔽しているだろうと容易に想像できるが、ロシアの場合、情報隠蔽は長く続かない。感染者がでたら。外部には即伝わる。ロシアと北朝鮮で社会の民主化の成熟度はやはり違う。

DMの張り紙の「自宅でも製造できる消毒液」を読んで分かったことは、①ウォッカに消毒性がある、②ロシア人は小さな時からウォッカを飲む国民だ、③消毒性があるウォッカを愛飲する習慣があるロシアではウイルス感染をする国民は少ない、といった3段階論法だ。

昔、ロシア人記者から聞いた話を思い出した。子供時代、風邪をひくとお祖母ちゃんがウォッカに蜂蜜とバター入れて温かくしてスプーンで飲ましてくれたという。それを飲むと風邪は直ぐに治ったというのだ。ウォッカはウイルスの感染を防ぐ力をもっている、と記者はいっていた。もちろん、ウォッカだけではない。ウイスキーなどアルコール度の高い酒類は解毒作用、消毒作用がある。大匙一杯のウォッカを蜂蜜で混ぜて飲めば、風邪は吹っ飛んでしまう、という話は非常に科学的だ、といえるわけだ。

ロシア人はウォッカが大好きだ。あまり飲みすぎると体はやられる。ボリス・エリツィン元大統領(任期1991~99年)のようにアル中になってしまうケースも出てくるが、その一方、ウイルスやバイ菌を消毒する力を持っているから、風邪のひき始めの時には効果がある。欧州全土で新型肺炎が拡大してきたこの時、ロシアに感染者が驚くほど少ないのもウォッカのお加減ではないか、という当方の結論が出てくるわけだ。

当方はこのコラムで「ウォッカ賛美」を書くつもりはない。ロシアの冬は寒く、長い。風邪をひかずに生きていくためにウォッカが生まれてきたのではないか。長い冬の期間、ウォッカを飲みすぎて酒飲みになるロシア人も少なくないだろうが、そのウォッカで風邪にもひかずに長生きしたロシア人もいたはずだ。

誤解を避けるために繰り返すが、新型コロナウィルスが世界に広がってきた今日、ウォッカを飲もうと呼びかける気はまったくない。人類は歴史を通じて様々な病気、感染病に対し現代のような医学が進んでいない時代にも、民族、風土に合った自家製薬を考え出してきたのだろう。

21世紀、新型コロナウイルスに対しても、人類は知恵を集めて必ずそれを克服できる薬を作り出すと確信している。良薬は苦いというが、ひょっとしたら、ウォッカの効用を利用した飲みやすいワクチンが誕生するかもしれない。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2020年3月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

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