新型コロナに伴う営業形態の変更:なによりも企業存続は大事!

中田 宏

新型コロナウイルスの影響によって、様々なビジネス形態が変化をしています。

共通するのは、たしかに新型コロナウイルスが原因ではありますが、私が見たところ、その影響を受けて大きく3つの理由分けられるようです。

例えばスーパーや百貨店ショッピングモールなどでは、開店時間を遅らせたり、閉店時間を早めるなどして時間短縮営業を始めています。また、飲食店ではメニューを限定的にしているお店もあります。例えば大手牛丼チェーンの吉野家では、手間がかかる牛カルビ丼の販売を中止しています。こうした背景には、特に学校が休みになっている子を持つ親が、パートやアルバイトをしている業種では、人手不足をよって営業を見直していることが理由です。

二つ目は、営業継続するための見直しです。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、特に巣ごもり消費が増えています。例えば、買い物に行かずに宅配、外食に行かずに出前といったことです。また、宅配便大手のヤマト運輸では宅急便を届ける際にお客さんと配達員が直接接触しないで済むように、玄関前に置く対応をとっています。

また、お客様サービスのお店などではマスクをしたままの接客が当たり前になっています。先日飛行機を利用した際、空港のカウンターの係員の方も飛行機の中のCAさんもマスクを着用していました。飲食店ではビュッフェやサラダバーなどを中止し、回転ずしでもお寿司は回っていません。もうおわかりの通り、これらは感染リスクを減らすためで、要は営業を存続していくための見直しです。

そして三つ目が経営維持、もっと言えば会社存続のための見直しです。

とにかくお客さんが来ないということは、営業しているだけで赤字になってしまうわけです。例えば航空業界、全日空は当面9路線29便を減便、日本航空は29路線50便を減便しています。国際線も減便や運行停止などがあります。飛行機を飛ばしても、それに見合うお客さんがいないわけで、新幹線などの鉄道でも明らかにお客さん減っていると思います。

今のところ鉄道会社からは本数を減らすという発表を聞いていませんがやはり深刻だと思いますし、ホテルや旅館などでは宿泊客の激減で大変だと思います。非常事態宣言が出た北海道では、複数のホテルや旅館が4月末までの休館を発表したり、すでに休館しているホテルや旅館もあります。広島にあるリーガロイヤルホテルでは当面3月15日までバーや一部の飲食店は休業や夜だけの営業にするそうです。

売り上げがないから、支払いができない、そうしてキャッシュフローが滞ることによって会社が続かなくなることは避けていただきたい。利用客のことも大事ですが、出血を止める営業の見直しや工夫は是非やっていただきたいと思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年3月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。